仙台に本社を置く日刊紙。1897年1月17日一力健治郎(1863-1929)が東北地方の産業と文化の振興を掲げて創刊。1900年1月,年中無休刊を宣言して30年間これを実行したほか,不偏不党を標榜(ひようぼう),広告を重視して経営の確立を図った。日露戦争のときはいち早く従軍記者を派遣,明治末には婦人記者も採用している。大正期に入って1922年3月から夕刊を発行,翌23年から昭和にかけて,岩手版,福島版,磐城版,青森版,山形版,秋田版を次々と創設,宮城県を中心に東北6県をカバーする広域紙に成長した。75年8月からは岩手県一関市にファクシミリで紙面を電送,印刷を開始するなど40万部を超す東北第1の新聞である。創刊以来,同一題号,同一社名,同一経営主体を誇る。
執筆者:春原 昭彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
東北地方の代表的日刊新聞。仙台市の本社を中心に宮城県内はもとより東北全域を配布地域とする。宮城県での発行部数のシェアは、全国紙等を大きく引き離してトップ。1897年(明治30)1月17日「東北振興と不偏不党」を社是に掲げ、一力(いちりき)健治郎(1863―1929)が創刊。以後、一力家経営の新聞として発展した。進取的紙面で注目を集め、日露戦争中は号外発行などニュース報道に力を入れ、先行各社を圧倒した。1908年(明治41)東北初のマリノニ輪転機を導入。1922年(大正11)夕刊発行。1946年(昭和21)株式会社に改め、1975年8月から岩手県一関(いちのせき)市でも印刷を開始。1981年にはCTS化を完成、翌年活字を大型化するなど終始業界のリード役を果たしてきた。発行部数朝刊約48万1500部、夕刊約10万部(2009)。
[高須正郎・伊藤高史]
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