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河食輪廻 かしょくりんね

百科事典マイペディアの解説

河食輪廻【かしょくりんね】

浸食輪廻のうち河食作用によるもの。正規輪廻ともいい,他の氷食・海食輪廻と区別する。正規輪廻では,隆起した原地形が川に刻まれ,急峻(きゅうしゅん)な山地が形成され,やがて従順な山地を経て準平原に変化する。
→関連項目幼年期(地形)老年期(地形)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

河食輪廻
かしょくりんね

河食によって生ずる一連の地形変化の循環系列。アメリカの地形学者デービスが提唱した地理学的輪廻(地形輪廻、侵食輪廻)の一つで、湿潤気候下で河流の侵食が普遍的に行われるとの考えから正規輪廻ともよばれる。輪廻とは仏教用語で車輪が廻(まわ)るように出発点に戻る循環系列をさす。輪廻の出発点となる地形を原地形といい、原地形に河食が及んで生ずる一連の地形を一まとめにして次地形、河食の最終的な結果として生ずる準平原を原地形という。原地形としては地盤の隆起や海面低下によって陸化した旧海底、新たに噴出した火山の表面、隆起準平原などがある。これらの原地形は河食によって変化していく。
 デービスは地形の変化を生物の進化に例えて幼年期、壮年期、老年期の発達階程に分けて説明した。なお、これらに早、満、晩の形容詞をつけて亜期に細分することもある。陸上に原地形が出現すると、ただちに外力が働いて河食が始まる。早幼年期には原面が広く残り、河食により浅い谷が形成される。谷はしだいに深さを増し、V字形の谷壁斜面を有し、河床には滝や早瀬が多い。満幼年期には滝や早瀬が徐々に減り、谷は拡大してその分だけ原面が消失する。谷底は堆積(たいせき)物に覆われることなく、基盤岩の露出するのが幼年谷の特徴である。原面の面積より谷の面積が広くなった状態を壮年期という。早壮年期の山地は谷と谷との間に平坦(へいたん)な原面を残し、平頂峰とよばれる。満壮年期になると平頂峰は消失し、起伏量が大きく、谷密度の大きい鋸歯(きょし)状山地が現れる。谷底には薄いながらも堆積物があり、基盤岩を覆うようになる。谷幅は増大して滝や早瀬がほとんど消失し、平滑な河床縦断面を呈するようになる。
 晩壮年期に入ると山頂はしだいに丸みを帯び、谷床平野はさらに拡大する。山頂が低下して山地部の面積が縮小したものを老年山地というが、老年期と晩壮年期との間に明瞭(めいりょう)な区別はない。いずれにしても鋭い山稜(さんりょう)は姿を消し、従順山形となる。谷底平野は幅を増大させ、谷壁の傾斜も緩やかとなり、谷壁斜面の下部は緩傾斜のまま谷底平野に漸移し、全体として凹斜面を呈する。老年谷の横断面は広く浅い。河床勾配(こうばい)も緩やかとなるので自由蛇行が著しい。さらに河食が進むと、全体的に高度が低下して波浪状の小起伏をもった準平原となる。この一連の変化を一輪廻という。輪廻の進行が中断すると多輪廻地形を生ずる。山茂美]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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