水産物の肉質が脂質の影響により焼けたような外観を呈する現象。ただし油脂だけの変色も油焼けと呼ぶ場合がある。魚油は一般に高度不飽和脂肪酸含量が高く,空気中の酸素を吸収し,複雑な連鎖反応を繰り返し酸化が進行する。酸化生成物によって香味の低下をきたし,毒性を示すこともある。これが酸敗である。魚体内では酸敗の進行とともに,酸化生成物は共存するアミノ酸,塩基,タンパク質などと一種の褐変反応を起こして着色する。着色物の構造やその生成機構などは,まだ解明されていない。この油焼けの際,共存するさまざまな物質に主としてその酸化生成物が作用し,タンパク質との複合体の形成による消化率の低下と,アミノ酸,ビタミン,色素などの破壊による栄養価の低下や退色現象が生ずるだけでなく,毒性物質を生ずることもある。油焼けは,光,微生物,高温,多湿,不純物などの貯蔵条件により著しく促進される。したがってその防止には,脂質の酸化を防ぐよう包装や保存条件に注意することが大切である。
執筆者:山口 勝巳
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