泣落す(読み)ナキオトス

デジタル大辞泉 「泣落す」の意味・読み・例文・類語

なき‐おと・す【泣(き)落(と)す】

[動サ五(四)]
泣いたり不幸な身の上を語ったりして、相手同情を買い、自分の言い分を承知させる。「親を―・して資金を出させる」
泣きくずれる。歌舞伎ト書で用いる語。
死骸に取りつき―・す」〈伎・吾嬬鑑〉
[類語]訴える直訴する直願する嘆願する哀訴する哀願する泣訴する愁訴する泣き付く口説くど泣き込む泣きすがる拝み倒す呼び掛けるアピールする申し出る届け出る願い出る申し込む

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精選版 日本国語大辞典 「泣落す」の意味・読み・例文・類語

なき‐おと・す【泣落】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 泣き伏す。泣きしずむ。泣き入る。歌舞伎のト書で用いる語。
    1. [初出の実例]「『この様な悲しい事が有らうかいなア』ト泣落(ナキオト)す」(出典:歌舞伎・五大力恋緘(1793)三幕)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 泣いたり、涙を流したりしながら哀れっぽい言動をすることによって、相手の同情をひくようにして自分の願いを相手に承知させる。
    1. [初出の実例]「日僑管理処の役人を泣き落すやうな文句をえらび」(出典:蝮のすゑ(1947)〈武田泰淳〉一)

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