洋琴(読み)ようきん(英語表記)Yang-qin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

洋琴
ようきん
Yang-qin

中国,朝鮮の打弦楽器。平らな梯形の箱状の木製胴の上面に細長い2本の駒をつけ,その上に胴面と平行に真鍮製の弦を張り,2本の細い竹製の棒を両手に持ち打奏する。大型のものと小型のものとがあり,弦数は大型で 76本,小型で 14本など種々ある。弦数の多いものは,3本あるいは4本ずつをまとめて同音に調律。アラビアのカーヌーン系の楽器が清初にイエズス会宣教師によって中国にもたらされ洋と呼ばれるようになったと考えられる。李朝英祖 (1725~76) のとき朝鮮に伝わった。日本にも明清楽 (みんしんがく) の楽器として江戸時代末に伝来したが,現在は用いられない。

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デジタル大辞泉の解説

よう‐きん〔ヤウ‐〕【洋琴】

中国の打弦楽器。扁平な箱状の木製胴の上に多数の真鍮(しんちゅう)弦を平行に張り、2本の竹製の細い棒(琴竹)で打奏する。大きさ・弦数などは多様。朝鮮を経て、19世紀中ごろに日本に伝来した。
ピアノのこと。

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百科事典マイペディアの解説

洋琴【ようきん】

中国のツィター属打弦楽器。中国語ではヤンチン。楊琴とも。明代の末(17世紀)に西アジアから広東省沿岸地帯に伝わったサントゥールが中国化したもの。その後全国的に広まり,語り物の伴奏,器楽合奏,独奏などに用いられる。台形の共鳴箱上に駒を配し(初期のものは2列,現在では3,4列),数本ずつセットになった金属弦を8〜10コース張って,2本の細い竹のバチで打奏する。
→関連項目ボグン・ドー

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世界大百科事典 第2版の解説

ようきん【洋琴】

(1)中国,モンゴル,朝鮮半島の伝統的な弦楽器の一種。台形の箱形チターで,両手に各1本ずつ持った2本の細長い撥(琴竹)で交互に打弦する。弦は鋼鉄とシンチュウの金属弦で,奏者の手前(低音)から向こう(高音)にかけて約20コースが平行に張られる。各コースは2~3本の複弦である。 この楽器は,中国語ではヤンチン,モンゴル語ではヨーチン朝鮮語ではヤングムウイグル族の間ではイェンジンと呼ばれている。日本へは江戸末期に明清楽の楽器として伝来し,ヤンキンと呼ばれたが,ほどなく姿を消した。

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大辞林 第三版の解説

ようきん【洋琴】

近世、中国・朝鮮の打弦楽器。平たい箱状の木製胴の上面に真鍮しんちゆう弦を平行に張り竹製の細い棒(琴竹)を左右の手に持ち打ち鳴らす。弦数は一四~七六本で種々ある。日本では明清楽の楽器として用いられた。
ピアノのこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

洋琴
ようきん

中国のチター属打弦楽器。揚琴とも書く。台形の木製共鳴胴(底辺70~100センチメートル、奥行40~50センチメートル)の上に2~3列の可動ブリッジを置き、1コース2~4弦で7~18コースの金属弦を張る。奏者は楽器を台の上に置き、2本の細長い竹の桴(ばち)でおもにトレモロ奏法や強弱法を用いて打弦する。イランのサントゥールやヨーロッパのダルシマーなどの系列に属するが、楽器の由来については、17世紀(明(みん)朝末期)に広東(カントン)地方に伝えられたこと以外は不明である。初期のものは胡蝶琴(こちょうきん)とよばれ、蝶の形をした小型胴に7コースの弦が張られていた。ベトナムや朝鮮半島、モンゴルの同型楽器は中国の洋琴が伝播(でんぱ)したものである。今日の中国では、伝統的合奏や歌劇の伴奏、あるいは、西洋楽曲の独奏などに広く用いられている。[山田陽一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

よう‐きん ヤウ‥【洋琴】

〘名〙
① 中国・朝鮮の弦楽器の一つ。台形で平たい木製の胴に、多数(一四~七六本ぐらい)の真鍮弦を張ったもの。ほぼ中間に枕木を備えて、弦を乗せる。左右の手に、竹製のよくしなう細い棒を持って打ち鳴らす。中世イスラムに始まり、近世、中国・朝鮮に伝来。〔杭俗遺風〕
② 明清楽に用いる小さい箏。桐で作り一三本の真鍮弦を張る。法界屋は左手に持って弾いた。本来は揚琴・瑤琴の字を用いる。〔風俗画報‐一〇四号(1895)〕
③ ピアノのこと。
※東京日日新聞‐明治二三年(1890)一一月二九日「教員生徒等の洋琴及びバイオリン曲の演奏など」

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