洋野(読み)ひろの

改訂新版 世界大百科事典 「洋野」の意味・わかりやすい解説

洋野[町] (ひろの)

岩手県北東端,九戸(くのへ)郡の町。2006年1月種市(たねいち)町と大野(おおの)村が合体して成立した。人口1万7913(2010)。

洋野町南西部の旧村。九戸郡所属。人口6036(2005)。南は久慈市に接する。九戸高原の中心部にあり,南部は北上高地北端にあたる山地で,北東部に久慈平岳がある。耕地は有家川,大野川沿いにわずかに開けるが,冷害地帯にあるため五月下旬の晩霜,夏のやませ,海霧などに悩まされる。米や雑穀の栽培のほか,酪農も行われる。

洋野町北東部の旧町。九戸郡所属。人口1万3488(2005)。太平洋に臨む。北上高地北端の丘陵が広く占め,海岸線に並行してJR八戸線,国道45号線が通じる。古くから漁業と農業が主体であるが,米作はやませの影響でふるわず,近年養蚕やシイタケ栽培,食用菊栽培などを導入している。漁業ではコンブウニアワビなどの漁獲があり,漁港の改修整備と大規模養殖場の開発が進められた。南部もぐり(潜水夫)の発祥地として知られ,県立種市高校には全国で唯一の水中土木科(現,海洋開発科)が併設されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報