中国、唐代の禅僧。青原行思(せいげんぎょうし)下の4世雲巌曇晟(うんがんどんじょう)(780―841)の法嗣(はっし)(弟子)。諡号(しごう)は悟本大師(ごほんだいし)。俗姓は兪(ゆ)氏。会稽(かいけい)(浙江(せっこう)省)の人。幼時に出家し、五洩霊黙(ごせつれいもく)(748―818)に参じ、20歳で嵩山(すうざん)に登り具足戒を受ける。のち南泉普願(なんせんふがん)(748―834)、潙山霊祐(いさんれいゆう)に師事し、さらに雲巌山(湖南省)の曇晟に参じ、渡河のおり、水面に自分の影の写るを見て大悟し、その法を嗣(つ)いだ。その後、各地を歴遊し、会昌(かいしょう)の廃仏を箕(き)州(山西省)に避け、ついに洞山(江西省)に入って普利院を開いた。詩偈(しげ)に優れ、五位思想を確立する。門下に雲居道膺(うんごどうよう)(?―902)、曹山本寂(そうざんほんじゃく)(840―901)、疎山匡仁(そざんきょうにん)(837―909)など27人がいる。曹洞(そうとう)宗の名称は、曹渓と洞山、または曹山と洞山の連称からおこるとされている。著書に『宝鏡三昧歌(ほうきょうざんまいか)』『洞山語録』各1巻がある。咸通(かんつう)10年3月7日寂。
[松田文雄 2017年3月21日]
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…悟本大師。筠州(江西省)の洞山にいたことから,洞山良价とよばれる。姓は兪。…
※「洞山良价」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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