洞簫(読み)ドウショウ

デジタル大辞泉 「洞簫」の意味・読み・例文・類語

どう‐しょう〔‐セウ〕【洞×簫】

中国管楽器尺八より細い竹の管で、長さ55~75センチくらい。上に吹き口があり、前面に5個、背面に1個の指孔がある。日本でも清楽や歌舞伎下座音楽などに用いられる。簫。
一節切ひとよぎり雅名

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精選版 日本国語大辞典 「洞簫」の意味・読み・例文・類語

どう‐しょう‥セウ【洞簫】

  1. 〘 名詞 〙 中国の縦笛。約六〇センチメートルの竹管で、前面に五指孔、背面に一指孔、上端にU字形の歌口(うたぐち)がある。唐代では尺八という。この古代尺八は奈良朝に日本に渡り、平安朝に滅びたが、宋代以後の洞簫が日本に伝わり、室町時代一節切(ひとよぎり)となり、虚無僧尺八となった。日本で尺八のことを洞簫と別称する。
    1. [初出の実例]「洞簫羌笛之管。曲沸晴天」(出典本朝文粋(1060頃)一三・為空也上人供養金字大般若経願文〈三善道統〉)
    2. [その他の文献]〔漢書‐元帝紀賛〕

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普及版 字通 「洞簫」の読み・字形・画数・意味

【洞簫】どうしよう(せう)

楽器。尺八の類。宋・軾〔赤壁の賦〕客に洞簫を吹くり。歌に倚(よ)りて之れに和す。其の聲嗚嗚然(ををぜん)として、怨むが如くふが如く、泣くが如く訴ふるが如し。餘嫋嫋(でうでう)として、えざること縷(る)の如し。

字通「洞」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洞簫」の意味・わかりやすい解説

洞簫
どうしょう
dong-xiao

中国,朝鮮の縦笛。指孔は前面5孔,背面1孔。竹管の上端の一部を内側に斜めにそいでエッジとした縦笛で,外側にそぐ日本の尺八とはエッジのつけ方が相違している。長短いろいろあり,短いのは短簫という。古代 (唐代) では尺八という。日本の古代尺八 (正倉院現存) の先駆である。近世日本の尺八を洞簫と雅称することがある。

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百科事典マイペディア 「洞簫」の意味・わかりやすい解説

洞簫【どうしょう】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「洞簫」の意味・わかりやすい解説

洞簫
どうしょう

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世界大百科事典(旧版)内の洞簫の言及

【簫】より

…中国の縦吹きノンリードの管楽器(イラスト)。指孔付きの1本の竹管からなる洞簫と,長さの異なる竹管を横に並べ,木の枠にはめこんだパンパイプの一種としての排簫の二つのタイプがある。 排簫の各竹管の長さ,配列は時代や用途により異なるが,十二律に合わせることで,管の数は多いもので二十数本,少ないものでも十数本ある。…

【ネイ】より

…また民俗音楽に用いられる短いネイをアラビア語でシャッバーバshabbābaと呼ぶことがある。中国の洞簫((しよう))はもと西域から伝来したといわれるが,今日の西アジアのネイと共通の祖先をもつものと考えられる。【柘植 元一】。…

【笛】より

…オルガンのパイプの主軸であるフルー管もこれと基本的に同じで,機械送風を用いることと,吹込み口も歌口も下部にある点が異なる。 やはり縦型の尺八,洞簫(どうしよう)(),ケーナネイなどの場合は,管の上端が開放されており,気道は設けられていない。気流の諸条件は横笛の場合と同じく,すべて奏者の肉体的制御にゆだねられ,管端が歌口を兼ねる。…

※「洞簫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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