出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
岡山県笠岡市西大島字名切小字津雲にある縄文時代の遺跡。南面するゆるやかな傾斜地に残された貝塚で鹹水(かんすい)産の貝を出土する。この貝塚は大正年間以後,各研究者などによって,しばしば発掘されているが,とくに有名なのは1919,20年の清野謙次の発掘である。この貝塚の遺物包含層は,上部の貝層と下部の黒土層で,これらの各層から160余体の縄文人骨が発見されている。土器は縄文時代後晩期の各型式で,山内清男の編年による後期の津雲下層式,晩期の津雲上層式は学史的に著名である。後期の諸型式は現在では彦崎KⅠ式(津雲A式),中津式,福田KⅢ式などが主体とされている。土器以外の遺物としては装身具としての鹿角製玦状(けつじよう)耳飾,貝輪,腰飾,石製丸玉がある。発見された人骨は屈葬で抜歯の風習を示すものが多く,乳児を入れた小児甕棺や埋葬後の焚火の痕跡などは,縄文時代の習俗を物語るものとして著名である。
執筆者:鎌木 義昌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
岡山県笠岡(かさおか)市西大島津雲に所在する縄文時代後・晩期の貝塚遺跡。1915年(大正4)から1921年にかけて、清野謙次(きよのけんじ)、長谷部言人(はせべことんど)、大串菊太郎(おおぐしきくたろう)らが調査し、160余体の縄文後・晩期人骨が出土、清野の日本人種論を構築したことにより著名となった。沖積平野に南面する緩斜面に厚さ10~90センチメートルのハイガイを主とする貝層があり、貝層中とその下の黒土層から屈葬人骨が群をなして検出された。風習としての抜歯が盛行しており、成人の大多数は、上顎(じょうがく)犬歯2本を抜去したのち、下顎切歯4本または犬歯2本を抜去している。前者は女性に多く、後者は男性に多い。抜歯はさらに上顎の側切歯、第1小臼歯(きゅうし)、下顎の第1小臼歯まで及んでおり、最多14本抜去した例がある。人骨には、貝輪、鹿角(ろっかく)製腰飾り、同耳飾りを着装した例を含んでいる。国指定史跡。
[春成秀爾]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
岡山県笠岡市西大島にある縄文時代の貝塚。1915~20年(大正4~9)に20回近く発掘され,170体ほどの人骨が発見された。土器は早期から晩期にわたり,後・晩期が多い。後・晩期を主とする人骨は屈葬が大部分だが伸展葬もあり,成人骨には抜歯(ばっし)がみられる。人骨にともなって鹿角製腕飾,アカガイ製腕輪,鹿角製玦状(けつじょう)耳飾,鹿角製腰飾などが出土した。国史跡。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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