淑景舎(読み)シゲイシャ

デジタル大辞泉 「淑景舎」の意味・読み・例文・類語

しげい‐しゃ【淑景舎】

平安京内裏五舎の一。内裏の東北の隅にあり、女御更衣住居。庭に桐を植えてあったので、桐壺きりつぼともいう。しげいさ。
に住む女御・更衣の通称。しげいさ。

しげい‐さ【淑景舎】

しげいしゃ(淑景舎)

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精選版 日本国語大辞典 「淑景舎」の意味・読み・例文・類語

しげい‐さ【淑景舎】

  1. [ 1 ]しげいしゃ(淑景舎)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「いまふたりは、女院・しげいさの人、やがてはらからどちなり」(出典:枕草子(10C終)九〇)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙しげいしゃ(淑景舎)[ 二 ]
    1. [初出の実例]「しげいさは、北にすこしよりて、南向きにおはす」(出典:枕草子(10C終)一〇四)

しげい‐しゃ【淑景舎】

  1. [ 1 ] 宮中の東北隅にあり、昭陽舎の北に位置する、南北の二部からなる殿舎。女御、更衣の住居。桐壺。しげいさ。
    1. [初出の実例]「雨降。今夜寅時。淑景舎顛倒」(出典:日本紀略‐延喜一五年(915)五月六日)
    2. 「淑景舎(シケイシャ)の傍にやすらひかねて立ち明かす」(出典太平記(14C後)二〇)
  2. [ 2 ] 淑景舎に住む女御、更衣の通称。しげいさ。

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改訂新版 世界大百科事典 「淑景舎」の意味・わかりやすい解説

淑景舎 (しげいしゃ)

〈しげいさ〉とも読む。平安宮内裏五舎(飛香,凝花,襲芳,昭陽,淑景舎)の一つ。庭に桐を植えたので桐壺(きりつぼ)とも称する。内裏の北東隅で,昭陽(しようよう)舎の北,宣耀(せんよう)殿の東に位置する。南・北に並ぶ淑景舎・淑景北舎の2棟の東西棟から成り,周囲を築垣で囲む。淑景舎は桁行5間,梁行2間の身舎の4面に廂(ひさし)を付けた建物で,北舎は,《拾芥抄》は淑景舎と同規模とするが,《大内裏図考証》は5間・2間の身舎の東・西面に廂を付けた建物に復元している。淑景舎は北舎,昭陽北舎,宣耀殿とそれぞれ渡廊で結ばれる。三条天皇の女御原子(藤原道隆の娘)が居住したといい,《源氏物語》では,光源氏の母桐壺更衣の居住の殿舎とし,内裏の北東隅で,天皇の居住した清涼殿から最も遠いため,更衣が清涼殿に通う際に他の壺の女房らにいろいろの意地悪をされたことが描かれている。
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百科事典マイペディア 「淑景舎」の意味・わかりやすい解説

淑景舎【しげいしゃ】

桐壺とも。平安宮の内裏(だいり)五舎の一つ。女御(にょうご)・更衣(こうい)の住居。局(つぼね)としては,清涼殿から最も遠い位置にある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「淑景舎」の意味・わかりやすい解説

淑景舎
しげいしゃ

平安京内裏五舎 (昭陽,淑景,飛香,凝華,襲芳) の一つ。内裏の北東隅に位置し,北の淑景北舎,南の昭陽舎と並び,渡り廊で通じていた。広さは5間4面で,後宮の住居として使用されたが,ときには摂政の直盧 (ちょくろ) にあてられたこともある。東の前庭にきりの木を植えていたので,一名,桐壺ともいわれた。

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世界大百科事典(旧版)内の淑景舎の言及

【淑景舎】より

…〈しげいさ〉とも読む。平安宮内裏五舎(飛香,凝花,襲芳,昭陽,淑景舎)の一つ。庭に桐を植えたので桐壺(きりつぼ)とも称する。…

※「淑景舎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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