湖沼の熱的(気候的)分類の一つで、水が最大密度を示す4℃を境にして、夏は湖沼の表層あるいは全層の水温が4℃以上に、冬は4℃以下になる湖沼をいう。主として温帯と冷帯に分布する(冷帯とは、ケッペン気候区分のD気候のこと。日本では北海道がD気候である)。
温帯と冷帯では、夏に表層水温はかなり昇温するが、深層は低温で、とくに深い湖沼では4℃に保たれる。一方、冬には表面は冷却されて4℃以下になる。このとき、中層以深は重い4℃の水なので、表層の軽い0~4℃の水や氷により冬の成層がつくられる。このような湖沼では、全層が4℃になる冬の初めと終りに年間2回の循環(対流)が生ずるので、温帯湖のことを二回循環湖とよぶこともある。もし水深が大きく、夏の間に深層に十分に熱が蓄えられていれば、冬にも表面の冷却を補う熱が対流により下方より運ばれ、表層も4℃以下にはならない。したがって湖盆の形態によっては、温帯湖の地域にあっても、熱帯湖になる湖沼がある。
[新井 正]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…夏季のように水温成層が形成されると湖水は停滞し,上下等温のときは対流により湖水が循環する。表面水温が冬季に4℃以下に低下する湖を温帯湖,それ以上の湖を熱帯湖と呼び,日本では箱根の芦ノ湖と琵琶湖を結んだ線がこの境となる。
[化学的性質]
溶存成分は,その湖の周辺の地質や気候的条件により大きな変化を示す。…
※「温帯湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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