日本大百科全書(ニッポニカ) 「渭南」の意味・わかりやすい解説
渭南
いなん / ウェイナン
中国、陝西(せんせい)省東部の地級市。2市轄区、潼関(とうかん)など7県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。常住人口528万6077(2012)。南は驪山(りざん)、華山(かざん)の峻峰(しゅんぽう)をもつ秦嶺(しんれい)山脈が迫るが、北には渭河(いが)平原が広がり、灌漑(かんがい)水利も発達して省の農業の中心地区である。綿花と各種穀物がおもな生産物である。機械、冶金、化学、製薬などの工業が立地する。西安(せいあん)より東へ向かう交通路の要衝で、隴海(ろうかい)線、包西線(パオトウ―西安)、寧西線(南京(ナンキン)―西安)、侯西線(侯馬(こうば)―西安)、同蒲(どうほ)線(大同(だいどう)―華山)などの鉄道が走る。
古く西周時代から開けた地域で、西安に都(長安)が置かれたときには京畿(けいき)の一部であった。周囲には故城の遺跡が多い。また南西隣の西安市臨潼(りんどう)区には華清池がある。
[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]