中国、陝西(せんせい)省東端の県。渭南(いなん)市に属し、河南(かなん)、山西(さんせい)両省に接する。常住人口15万5463(2010)。南下してきた黄河(こうが)が秦嶺(しんれい)山脈に当たり、西から流入する渭河(いが)を加えて90度方向を変えて東へ流れる地点にあり、関中(かんちゅう)と中原(ちゅうげん)を結ぶ交通を押さえる要衝であった。春秋時代には桃林塞(とうりんさい)とよばれ、東の函谷関(かんこくかん)と結んで関中の固めとなっていた。漢代に函谷関は洛陽(らくよう)の近くに移され、後漢(ごかん)末この位置に潼関が設置されたと考えられる。その後、関中が乱れたときには必争の地となり、唐代以後、潼津(とうしん)県、潼関衛、潼関庁などが置かれ、1913年に県となった。
隴海(ろうかい)線、同蒲(どうほ)線(大同(だいどう)―華山(かざん))が通じる。近年、金の採掘が盛んに行われている。古代の城塞や、それに連なる潼関十二連城などの遺跡が残るほか、南西には秀峰華山がそびえる。
[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]
中国,陝西省東端の県。人口14万(1994)。南流した黄河が華山につき当たって東に向かう屈曲点に位置し,また西からは渭水が注いで天下の険をなし,古来中原地方から関中に入る最大の要地として有名である。春秋時代の晋の桃林のとりではこの地であり,後漢末には関所を設け,西方を流れる川の名をとって潼関とよばれた。1960年,三門峡ダムの完成で水没するため,市街は約10km南へ移され,隴海(ろうかい)鉄道(連雲港~蘭州)も南へつけ替えられた。
執筆者:永田 英正
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