湘軍(読み)ショウグン

デジタル大辞泉 「湘軍」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぐん〔シヤウ‐〕【湘軍】

中国末、太平天国の乱の鎮圧のために曽国藩が組織した義勇軍。主に湖南省湘郷県出身者(湘人)で編成された。湘勇

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精選版 日本国語大辞典 「湘軍」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぐんシャウ‥【湘軍】

  1. 中国、清の長髪賊(太平天国)の乱の時、曾国藩が組織した軍隊。主として、曾の故郷、湖南省、湘水流域から募集した者で編成したところからいう。湘勇。〔李鴻章‐曾文正公神道碑〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湘軍」の意味・わかりやすい解説

湘軍
しょうぐん

中国、太平天国を鎮圧するため、曽国藩(そうこくはん)が湖南で組織した義勇軍。湘勇ともいう。1852年、長沙(ちょうさ)防衛に動員された曽国藩の故郷、湘郷(しょうきょう)県の団錬(だんれん)1000余を義勇兵に編成替えしたのに始まり、1853年秋、衡州(こうしゅう)で5000の水軍を編成、陸軍とあわせて約1万7000の義勇軍として本格的に成立。最盛期には曽の直属軍12万を中核に、数十万の大軍に成長し、太平天国鎮圧の主力となった。しかし、南京(ナンキン)占領後まもなく、曽国藩は、彼の権力の強大化を警戒した清(しん)朝への配慮と、軍内に哥老会(かろうかい)という秘密結社が拡大したことなどから解散を図り、彼が別に李鴻章(りこうしょう)に組織させた淮軍(わいぐん)がこれにとってかわった。清の常備軍である八旗や緑営と違い、上級指揮官が下級の指揮官を、下級指揮官が兵士をと、上から順に同郷、血縁、師弟関係を通じて私的に募集し、指揮官が辞めればその軍を解散し、同様な方法で新たに徴募するという私的性格の濃厚な新形式の軍隊であった。上級指揮官の圧倒的多数は湖南の儒生(じゅせい)で、そのうち26人は総督・巡撫(じゅんぶ)となり、各省の軍事財政行政権を掌握して、清末の総督・巡撫権力の強大化、割拠化をもたらし、また軍閥形成の端緒となった。

[小島晋治]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「湘軍」の解説

湘軍(しょうぐん)

湘勇(しょうゆう)ともいう。清末,1853年,曾国藩(そうこくはん)郷里の湖南省湘郷県の読書人を幹部として組織した郷勇(きょうゆう)部隊で,太平天国討伐の主力になった。初めは約4000人で,湖南の防衛および治安の維持を任務としたが,53年7月南昌救援におもむいて敗北してから,陸軍の増強,水軍の新設によって兵力1万7000人に増強し,54年初めから湖北の太平天国軍討伐に出動した。その後苦戦を続けながらも清軍の主力として,江西,安徽(あんき)に転戦し,64年に南京を攻略して太平天国平定に成功した。ついで捻軍(ねんぐん)の討伐にあたったが成功せず,68年に淮軍(わいぐん)と交替したのち,しだいに解散した。湘軍の有力指揮官はほとんど読書人出身であったが,戦功によって高級官僚になった者が多い。湘軍の財源は国庫からの支給もあったが,大部分は湖南省内の献金や特別賦課によってまかなわれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湘軍」の意味・わかりやすい解説

湘軍
しょうぐん
Xiang-jun; Hsiang-chün

中国,清末に太平天国に対抗するため組織された郷勇 (民兵) の一つで,湘勇ともいう。咸豊2 (1852) 年母の喪に服するため帰郷していた曾国藩が中心となり,湖南省湘郷県で同郷者や血縁関係者,読書人などを中心に組織。経費の多くは捐輸 (寄付金) や釐金 (りきん。内国関税) によってまかなわれた。翌年,江忠源救援のため南昌に進軍して敗北したが,その後,軍の充実に努めて強勢となり,太平天国軍の討滅に活躍。その後,捻軍の征討に加わったりしたが,まもなく解散した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「湘軍」の解説

湘軍
しょうぐん

清末期の太平天国の乱の際に編成された郷勇 (きようゆう) の1つ
1853年,曾国藩 (そうこくはん) が湖南省の人(湘人)を募って編成。長江上流から南京を攻撃し,反乱鎮定の主力となった。やがて曾国藩は,彼の権力の強大化を警戒する清に配慮して,湘軍を解散した。

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普及版 字通 「湘軍」の読み・字形・画数・意味

【湘軍】しようぐん

湘南軍。

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