潔い(読み)イサギヨイ

デジタル大辞泉 「潔い」の意味・読み・例文・類語

いさぎよ・い【潔い】

[形][文]いさぎよ・し[ク]
事物風景などが清らかである。汚れがない。
「―・い朝景色飽かず見恍みとれている」〈風葉・五反歩〉
思い切りがよい。未練がましくない。また、さっぱりとしていて小気味がよい。「―・く身を引く」「―・く戦う」
道に反するところがない。潔白である。「―・い態度を貫く」
「心ノ―・イ」〈日葡
[派生]いさぎよさ[名]
[類語]潔癖堂堂正正堂堂高潔潔白清純純潔廉直清廉廉潔貞潔毅然きっぱり断固断然断じて頑として屹度きっとびしびし心を鬼にする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「潔い」の意味・読み・例文・類語

いさぎよ・い【潔・屑・清】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]いさぎよ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 自然の事物、風景などがひじょうに清らかである。よごれていない。清浄だ。また、清らかですがすがしい。
    1. [初出の実例]「清(イサギヨ)き庭に徐歩(しめやかにあり)く者(ひと)は誰が女子とか言ふ」(出典:日本書紀(720)雄略元年三月(前田本訓))
  3. 心や行為に道徳やきまりに反するところや汚れた点がない。潔白だ。
    1. [初出の実例]「其の坊(まち)の令(うながし)には坊の内に明廉(イサギヨク)強直(こはくただ)しくして時の務に堪ふる者を取りて宛(あ)てよ」(出典:日本書紀(720)大化二年正月(北野本訓))
  4. 未練がなくさっぱりしている。思い切りがよい。わるびれない。
    1. [初出の実例]「浄(イサギヨク)名利は捨てけるなり」(出典:私聚百因縁集(1257)九)
  5. 明快で心地よい。小気味がよい。りっぱだ。
    1. [初出の実例]「爰では文章の潔いをほめたなり」(出典:寛永刊本江湖集鈔(1633)三)

潔いの語誌

漢文訓読語。中古和文で、これに当たる語としては、「きよらなり」「うるはし」などがある。

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