(読み)ガン

デジタル大辞泉 「頑」の意味・読み・例文・類語

がん〔グワン〕【頑】

[ト・タル][文][形動タリ]かたくなに人の言うことを受け入れないさま。多く「頑として」の形で用いられる。「忠告として聞き入れない」「として節をげず、反骨を貫く」
[類語]あくまで徹底的徹頭徹尾どこまでもとことんけちょんけちょんこてんこてんこてんぱんぼろくそ完膚なきまで潔い潔癖堂堂正正堂堂高潔潔白清純純潔廉直清廉廉潔貞潔断固きっぱり断然毅然断じて頑として屹度きっとびしびし心を鬼にする

がん【頑】[漢字項目]

常用漢字] [音]ガン(グヮン)(漢) [訓]かたくな
融通がきかない。かたくな。「頑固頑迷
いたって丈夫なこと。「頑強頑健頑丈

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「頑」の意味・読み・例文・類語

かた‐くな【頑】

〘形動〙
① すなおでなく、心がねじけているさま。まちがった考えを固執しているさま。また、心がひねくれていて、うちとけないさま。偏屈。片意地
※続日本紀‐天平宝字元年(757)七月二日・宣命「此の事は天下の難事にあれば、狂(たぶ)れ迷へる頑奈留(かたくなナル)奴の心をば、慈(めぐ)び悟し正し賜ふべきものなり」
源氏(1001‐14頃)桐壺「いとど人わろう、かたくなになり侍るも、前の世ゆかしうなん」
② なかなか考えを変えないさま。いちずに思い込むさま。頑固。一徹
謡曲・丹後物狂(1430頃)「総じて親の子を思ふほど頑(かたく)ななるものは候はじ」
③ 愚かで物わかりの悪いさま。理解がにぶく、悟りが遅いさま。
※催馬楽(7C後‐8C)夏引「『夏引の 白糸 七量(ななはかり)あり さ衣(ごろも)に 織りても着せむ 汝(まし)(め)離れよ』『可多久名爾(カタクなニ) もの言ふ女(をみな)かな』」
※源氏(1001‐14頃)帚木「あやまちして、見む人のかたくななる名をも立てつべきものなり」
教養がなく、見苦しいさま。情趣に欠け、ぶこつであるさま。不体裁なさま。無風流なさま。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「我をかたくななる田舎人と思ひて」
手足などが欠けているさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕

かたくな‐し【頑】

〘形シク〙
① すなおでなく、ひねくれている。不適当な考えにいつまでも固執している。強情である。意地っぱりである。
※源氏(1001‐14頃)明石「ひが事どもに書きなしたれば、いとどをこに、かたくなしき入道の心ばへも、あらはれぬべかめり」
物事を理解してそれに応ずることができない。融通がきかない。おろかである。物わかりが悪い。気がきかない。
※聖護蔵本願経四分律平安初期点(810頃)「痴(カタクナしク)なれる和上、上坐に為りたまふ」
③ 教養がなく見苦しい。情趣がなくぶこつである。いやしい。不体裁である。
※枕(10C終)六三「あかつきに帰らん人は、〈略〉いみじくしどけなく、かたくなしく、直衣、狩衣などゆがめたりとも、誰か見知りてわらひそしりもせん」
[補注]「仮・身の鏡‐中」の、「しらで背きたる者をも、科(とが)におこなはんとする事こそ痴(カタクナ)けれ」同書巻下の、「うらやみまはる事こそ痴(カタク)なけれ」のような、ク活用の例も見られる。
かたくなし‐げ
〘形動〙
かたくなし‐さ
〘名〙

がん グヮン【頑】

〘形動ナリ・タリ〙 容易に他を寄せつけないようなさま。また、自説を主張したり、意地を張ったりして他人の考えを受け入れないさま。多く「頑として」の形で用いられる。
※慶応再版英和対訳辞書(1867)「Perverse 違ウタル。頑ナル
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「彼の自分に向って此時ほど頑とした事を見なかったのである」 〔書経‐堯典〕

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