潰百姓(読み)つぶれびゃくしょう

百科事典マイペディアの解説

潰百姓【つぶれびゃくしょう】

江戸時代,破産した百姓をいう。禿百姓とも記す。年貢(ねんぐ)の未進や負債累積,あるいは疾病怪我などにより,また災害・凶作などが潰百姓の増大を招いた。破産百姓の跡地領主に戻すことを出願してこれが認められれば,上げ田地とされた(没収地などとは異なる)。上げ田地の耕作親類縁者が引き受けるか,村中の惣(そう)作地(村惣作)として年貢諸役を負担したが,耕作を放棄されて手余(てあまり)地になる場合も多かった。江戸時代中期以降はこうした手余地が増加し,また潰百姓が離村して無宿者などとして都市に流入,治安上の問題ともなった。

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精選版 日本国語大辞典の解説

つぶれ‐びゃくしょう ‥ビャクシャウ【潰百姓】

〘名〙 江戸時代、貢租の重課、負債の累積、疾病、凶作その他災害によって破産した百姓をいう。その地は村中で共同耕作(総作)し年貢諸役を負担した。
※地方凡例録(1794)四「年貢未進等有之、亦は連々作倒になり潰百姓出来」

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世界大百科事典 第2版の解説

つぶれびゃくしょう【潰百姓】

禿百姓とも書き,江戸時代,年貢の未進や負債の累積などにより破産した百姓をいう。年貢諸役の過重取立て,商品経済の農村への浸透などによって農村が疲弊し,災害・凶作・飢饉などを契機にして潰百姓が激増した。潰百姓の跡地(あとち)は親類縁者(よしみ)の者が引き請けるものとされていたが,引請人のいない場合が多く,それが村の惣作地(村総作)となった。惣作地については〈村並年貢諸役相務め,作徳の内種肥代を渡し,其余分は地頭へ納め,作手間は村役にいたす定法〉(《地方凡例録》)とされ,耕作および年貢諸役を村が負わされていたが,潰百姓の跡地の多くは耕作放棄され,手余地(てあまりち)となった。

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世界大百科事典内の潰百姓の言及

【手余地】より

… 手余地は近世の全期間を通して各地にみられる。とくに18世紀中ころ以降,商品経済の農村への浸透が年貢の重圧と相まって,中層以下の本百姓経営を解体させ,潰百姓,離村,出稼ぎなどによる耕地の荒廃,地主手作経営での手不足が慢性化し,災害,飢饉などを契機にして手余地が激増した。関東の農村では明和・安永期(1764‐81)から江戸地回り経済と呼ばれる関東在地での農産物商品化の動きが一段と進行し,商品経済の農村浸透,上層農民の地主化・在郷(ざいごう)商人化がすすみ,これに対応して中層以下の潰百姓の増加,出稼・離村の激化が顕著になった。…

※「潰百姓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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