澄豪(読み)ちょうごう

改訂新版 世界大百科事典 「澄豪」の意味・わかりやすい解説

澄豪 (ちょうごう)
生没年:1259-1350(正元1-正平5・観応1)

鎌倉・南北朝時代の天台宗の僧。藤原顕成の子。法円と号した。中世天台密教の大著《阿娑縛(あさば)抄》を著した承澄に穴太(あのう)流を学んだ。京都西郊の古寺顕徳寺を再興して宝菩提院とし,活動の拠点としたので,西山(にしやま)上人と呼ばれ,その流を西山流と称する。滋賀県秦荘町にある金剛輪寺にも住んで,比叡山灌頂を移して灌頂を興隆した。《総持抄》ほか台密の著作は多い。弟子に永慶,豪鎮,恵鎮らがあり,門流から《渓嵐拾葉(けいらんしゆうよう)集》の著者として知られる黒谷の光宗(こうしゆう)が出ている。
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澄豪 (ちょうごう)
生没年:1049-1133(永承4-長承2)

平安時代後期の天台宗の僧。清朝,隆範に顕密を学び,比叡山東塔北谷の恵光坊に住した。1113年(永久1)北京二会の講師となり,29年(大治4)権律師に任ぜられたが,翌年辞している。檀那流の分派恵光房流の祖。弟子に竹林房流を開いた長耀(ちようよう),毘沙門堂流の智海らが出て,門流は大いに発展した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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