中国、南宋(なんそう)末の僧。諡(おくりな)は仏眼(ぶつげん)禅師。『無門関』の編著で知られる。杭州良渚(こうしゅうりょうしょ)(今日の浙江(せっこう)省杭州市西部)の人、姓は梁(りょう)。若いころ、生死の問題に悩み、各地を彷徨(ほうこう)ののち、平江府万寿寺の月林師観(げつりんしかん)(1143―1217)に参じ、趙州無字(じょうしゅうむじ)の公案(こうあん)によって大悟する。月林は臨済(りんざい)宗楊岐(ようぎ)派の祖師で、楊岐3世の法演(ほうえん)(1024?―1104)が始めた公案禅の名匠である。慧開も江西と浙江の各地に師法を宣揚するが、南宋末期の国家危機に際して、士大夫の参禅が相次ぎ、晩年、理宗(在位1224~1264)の勅によって、国祚(こくそ)の長久を祈る参禅道場・護国仁王寺を創した。日本には、入宋(にっそう)僧の心地覚心(しんちかくしん)(法燈(ほっとう)国師)が師法を伝えた。尺八も、覚心が伝えたといわれる。
[柳田聖山 2017年4月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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