無額面株式(読み)ムガクメンカブシキ(その他表記)no-par stock

デジタル大辞泉 「無額面株式」の意味・読み・例文・類語

むがくめん‐かぶしき【無額面株式】

無額面株

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無額面株式」の意味・読み・例文・類語

むがくめん‐かぶしき【無額面株式】

  1. 〘 名詞 〙 株券券面額面金額記載がなく、株数を表示するだけの株式。無額面株。
    1. [初出の実例]「信託会社は無額面株式を発行することを得ず」(出典:信託業法(1922)二条)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「無額面株式」の意味・わかりやすい解説

無額面株式
むがくめんかぶしき
no-par stock
no-par value

株券に、券面額の記載がなく、かわりに、「発行株数○万株のうち○株」のように単にその表章する株式数のみが記載される株式。2001年(平成13)6月の商法改正までは、会社は額面株式定款に1株の金額の定めがあり、かつ株券に額面の表示のある株式)と無額面株式の両方を発行することができた。しかし、(1)無額面株式であってもその内容である株主権利については額面株式とまったく差異はないこと、(2)株価企業価値)は市場における需給関係によって決定されるはずであるが、額面になんらかの価値があるような誤解を生じさせかねなかったこと、(3)日本企業は長らく年次配当額を「額面あたりの何%」と決定し続けていたことからわかるように、低配当政策の弊を存続させることに額面が加担してしまったことからして、2001年6月の商法改正により、会社が発行する株式をすべて無額面株式とした。

[戸田修三・福原紀彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「無額面株式」の意味・わかりやすい解説

無額面株式【むがくめんかぶしき】

株券に額面の記載がなく,株式数のみが記される株式。米国で発達し,日本では1950年の商法改正で採用されたが,2001年の商法改正により額面が廃止されたため,現在ではすべての株式が無額面株式となっている。額面株式と無額面株式の権利内容には差異がない。
→関連項目株式割引発行

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無額面株式」の意味・わかりやすい解説

無額面株式
むがくめんかぶしき
no-par stock

額面のない株式。額面株式に対する概念で,比例株または部分株ともいわれる。会社資金の調達を容易にするため,1950年の商法改正に際し,アメリカ法にならって採用された。2001年の商法改正により額面株式が廃止されたため,額面・無額面の区別はなくなり,株式はすべて無額面となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

株式公開用語辞典 「無額面株式」の解説

無額面株式

無額面株式とは、額面金額の定めがない株式のことをいう。2001年6月22日に商法改正法案が国会可決・成立し、6月29日に交付された。この中で単位株制度に代わる「単元株制度創設」が盛り込まれた。2001年10月1日から、企業で発行される株式はすべて無額面株式となった。

出典 株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント株式公開用語辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「無額面株式」の意味・わかりやすい解説

無額面株式 (むがくめんかぶしき)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の無額面株式の言及

【額面株式・無額面株式】より

…額面のある株式,すなわち定款に1株の金額の定めがあり(商法166条1項4号,同条2項),かつ株券に券面額が表示される(225条4号)株式を額面株式といい,額面のない株式,すなわち株券に券面額の記載がなく,単にその表章する株式数のみが記載される株式を無額面株式という。いずれも1株は1株として等価値であって,会社に対する権利の内容はその間になんらの差異もない。…

【株式分割】より

…81年の商法改正(施行は1982年10月)で株式分割を容易に行えるようになった。新法では,設立の際に発行する株式の額面は5万円以上に制限するが,設立後は額面額の最低を廃止し,額面株式と無額面株式(額面株式・無額面株式)との相互転換を認めた。ただし,分割後の1株当り純資産が5万円以上でなければならない。…

※「無額面株式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android