煙たい(読み)ケムタイ

デジタル大辞泉 「煙たい」の意味・読み・例文・類語

けむた・い【煙たい/×烟たい】

[形][文]けむた・し[ク]
煙のために息苦しい。また、目を開けていられない。けむい。けぶたい。けむったい。「―・くて涙が出る」
窮屈に感じられ、親しみが持てないさま。けぶたい。けむったい。「―・い相手」
[派生]けむたがる[動ラ五]けむたげ[形動]けむたさ[名]
[類語]煙いけむりけぶり火煙白煙黒煙炊煙朝煙夕煙紫煙香煙硝煙砲煙煙幕噴煙排煙油煙煤煙狼煙のろしすすくゆらすむせっぽい

けぶた・い【煙たい/×烟たい】

[形][文]けぶた・し[ク]けむたい」に同じ。「たき火が―・い」
[派生]けぶたがる[動ラ五]けぶたげ[形動]けぶたさ[名]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「煙たい」の意味・読み・例文・類語

けぶた・い【煙・烟】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]けぶた・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 後世は「けむたい」 )
  2. けむたい(煙)〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「そらだきもの、いとけぶたうくゆりて、衣のおとなひ、いと花やかに、ふるまひなして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)花宴)
  3. けむたい(煙)
    1. [初出の実例]「いと苦しき判者にもあたりて侍るかな、いとけぶたしやとなやみ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)

煙たいの派生語

けぶた‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙

煙たいの派生語

けぶた‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

煙たいの派生語

けぶた‐さ
  1. 〘 名詞 〙

けむた・い【煙・烟】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]けむた・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 煙が鼻、のど、目を刺激して苦しい。煙にむせて息苦しい。けぶたい。けむったい。けむい。〔伊京集(室町)〕
    1. [初出の実例]「たき物をたきて、中将殿とをらせ給ふたびごとも、けむたきほどにぞあをぎかけたりけり」(出典:御伽草子・しくれ(古典文庫所収)(室町末))
  3. 気づまりである。窮屈である。気がねである。また、相手を敬遠したい気持である。けぶたい。けむったい。
    1. [初出の実例]「道理道理、身にかからぬこちとさへ、けむたうてたまられぬ」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)二)

煙たいの派生語

けむた‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙

煙たいの派生語

けむた‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

煙たいの派生語

けむた‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android