(読み)スス

デジタル大辞泉の解説

すす【×煤】

有機物の不完全燃焼によって生じる炭素の黒い微粒子。「ストーブからが出る」
煤煙とほこりが一緒になって天井などについたもの。「天井のをはらう」
煤色(すすいろ)」の

ばい【煤】[漢字項目]

人名用漢字] [音]バイ(漢) [訓]すす
すす。「煤煙煙煤
石炭。「煤炭

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世界大百科事典 第2版の解説

すす【煤 soot】

炭化水素などの有機物より不完全燃焼あるいは熱分解によって生じた黒色無定形の微粉末物質で,その成分は大部分が炭素であり,そのほか若干の酸素および微量窒素,水素を含んでいる。同時にその表面の顕微鏡的状態は原料や生成条件ないし製法により異なり,単なる炭素微粒とは異なっている。すすは化学的組成としては工業的製品であるカーボンブラックと変わることはないが,すすという語感にはそのような工業的製品と区別して,火のあるところに自然発生的に生じた黒い炭素微粒を指す場合が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


すす

炭化水素が熱分解、あるいは不完全燃焼するときに生成する黒色無定形の微粉末物質。墨の原料となる。工業的製品をカーボンブラックという。

[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

すす【煤】

〘名〙
① 物が燃える際に、煙とともに出る黒い炭素の微粒子。また、それが梁の上、天井、煙突等に付着したもの。
※古事記(712)上「登陀流(とだる)天の新巣の凝烟〈凝烟を訓みて州須(スス)と云ふ〉の、八拳垂る摩弖(まで)焼き挙げ」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「真黒な煤がランプの光で輝やいて」
② 煤をとりのぞくこと。すすはき。すすはらい。
※俳諧・続猿蓑(1698)上「脇指に替てほしがる旅刀〈芭蕉〉 煤をしまへばはや餠の段〈沾圃〉」
※続春夏秋冬(1906‐07)〈河東碧梧桐選〉冬「茎の石煤の夕に洗ひけり〈楽南〉」
③ 「すすいろ(煤色)」の略。

す・す【煤】

〘自サ四〙 すすける。古びる。
※万葉(8C後)一一・二六五一「難波人葦火焚(た)く屋の酢四(すシ)てあれど己が妻こそ常めづらしき」

すすけ【煤】

〘名〙 (動詞「すすける(煤)」の連用形の名詞化) すすけていること。すすけて黒くなっていること。うす汚く、よごれていること。
※枕(10C終)八七「衣もしろめず、おなじすすけにてあれば、いづち遣(や)りてけんなどにくむ」

すす・ける【煤】

〘自カ下一〙 すす・く 〘自カ下二〙
① すすがしみついて黒ずむ。すすがしみ込む。すすばむ。すすぶる。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「火桶のすすけたるに、火わづかにおこしたるに」
② すす色になる。よごれて汚くなる。古ぼけてよごれて色があせる。
※枕(10C終)八七「衣すすけためり。白くて着よとて、投げ取らせたれば」

すす・く【煤】

〘自カ下二〙 ⇒すすける(煤)

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世界大百科事典内のの言及

【燃焼】より

…物質が酸素などの酸化剤と化学反応を起こして生成物になると同時に,熱や光の形でエネルギーを放出する現象をいう。したがって,これは物質変換の過程であると同時に,エネルギー変換の過程であるが,前者は実際にはあまり使われないので,利用上は後者がおもな対象となる。家庭用の厨房(ちゆうぼう)・暖房器具から自動車,航空機のエンジン,さらに工業炉に至る一連の機器,設備は制御されたエネルギー変換の例であり,逆に制御に失敗してエネルギーの暴走が生じたのが火災や爆発災害である。…

【石炭】より


[環境対策]
 〈環境対策〉の面で最も大きい問題は,燃焼に際しての〈排煙処理〉と〈灰処理〉である。排煙処理としては,煤塵と硫黄酸化物(SOx),窒素酸化物(NOx)の除去が必要で,いくつかの方法が実用化し,さらに進んだ技術も開発の途上にある。日本における規制は国際的にみてもひじょうにきびしく,その反映としてとくに排煙処理技術は世界最高のレベルにある。…

※「煤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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