熒惑(読み)ケイコク(英語表記)yíng huò

デジタル大辞泉 「熒惑」の意味・読み・例文・類語

けい‐こく【×惑】

五星の一。火星異称光度変化逆行がはなはだしいので、その大接近は災い前兆と考えられての名。けいわく。

けい‐わく【×熒惑】

けいこく(熒惑)

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精選版 日本国語大辞典 「熒惑」の意味・読み・例文・類語

けい‐わく【&JISEC7C;惑】

  1. [ 1 ]けいこく(熒惑)[ 一 ]戦国策‐趙策・武霊王
  2. [ 2 ]けいこく(熒惑)[ 二 ]
    1. [初出の実例]「けいわく 火曜 和名災星(わざわいほし)」(出典和漢三才図会(1712)一)
    2. [その他の文献]〔管子‐九守〕

けい‐こく【&JISEC7C;惑】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「こく」は「惑」の漢音 ) まどわすこと。眩惑(げんわく)。けいわく。
  2. [ 2 ]けいこくせい(熒惑星)」の略。
    1. [初出の実例]「熒惑(ケイコク)月に入る」(出典:日本書紀(720)天武一〇年九月(北野本訓))

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改訂新版 世界大百科事典 「熒惑」の意味・わかりやすい解説

熒惑 (けいわく)
yíng huò

火星の古代中国名。五星の一つ。五行説では火に配するので火星とも称するようになった。古代中国では天上世界の執法官と考えられ,熒惑の出現した星座に対応する地上分野に,戦争飢饉疫病などの政治的社会的混乱を禍罰として下す夭星(ようせい)として恐れられた。しかも,みかけの軌道予測困難であったため,古来その動向の観測は天文官の重要な任務とされ,多くの記録が残されている。
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世界大百科事典(旧版)内の熒惑の言及

【火星】より

…軌道半長径=1.52369天文単位離心率=0.0934 軌道傾斜=1゜.850太陽からの距離 最小=2.067×108km,平均=2.279×108km,最大=2.492×108km公転周期=686.98日 平均軌道速度=24.08km/s会合周期=779.9日 赤道半径=3397km体積=0.1506(地球=1) 質量=0.10745(地球=1)平均密度=3.93g/cm3自転周期=1.0260日 赤道傾斜角=25゜.19アルベド=0.16 極大光度=-2.8等赤道重力=0.38(地球=1) 脱出速度=5.02km/s火星は,そのやや不気味な赤色のゆえに,昔から戦いの神マルスの名を冠せられてきた。中国では,やはりその色から人心を惑わす星という意味で熒惑(けいわく∥けいこく)と呼んでいる。地球のすぐ外側の軌道上を回っているため,半分以上欠けて見えることはない。…

※「熒惑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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