原油や液化天然ガス(LNG)、石炭といった発電燃料の価格変動を毎月の電気料金に自動的に反映させる制度。財務省が毎月発表する貿易統計に基づくエネルギー資源の輸入価格の3カ月平均値を使う。12月の料金には、7~9月の価格が適用される。燃料費が大幅に上がった場合に備えて、消費者の負担を和らげるため電気料金への上乗せに上限が設定されている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
月々の電気料金に、化石燃料(石油、液化天然ガス、石炭)の価格変動分を自動的に反映する制度。略称は燃調。経済産業省令に基づき、1996年(平成8)に導入された。化石燃料の国際市況や外国為替(かわせ)相場を反映した輸入価格の3か月平均値(実績)と、過去の貿易統計価格を参考にして電力会社があらかじめ設定した基準燃料価格を比較し、輸入価格平均値が上回った場合は電気料金を引き上げ、下回った場合は値下げする。料金反映までの期間は2か月で、たとえば、1~3月の輸入価格平均値が変動した場合、3月の貿易統計が発表される4月から2か月後の6月分の電気料金に反映する仕組みである。資源高など経済情勢の変化を迅速に料金に転嫁することで電力事業者の経営を安定化させるとともに、消費者に変動要因を見えやすくするねらいがある。なお消費者負担に配慮し、基準燃料価格の1.5倍までといった値上げ上限を設けた料金プランを扱う発電会社もある(値下げ下限はない)。
制度導入当初は、料金に反映するまでの期間は3か月、調整は3か月に1回(四半期ごと)で、基準燃料価格から上下5%以内の変動は調整しない非調整範囲(デッドバンド)があった。しかし2008年(平成20)の原油高を踏まえ、2009年から料金反映までの期間を2か月に短縮し、毎月調整し、デッドバンドを廃止した現行方式に改めた。燃料費調整制度は、発電事業者の電源構成比率をあらかじめ固定し、火力発電分にのみ適用される。このため火力発電比率の高い発電事業者の電気料金は燃料価格の変動の影響を受けやすい。また、原子力発電は対象外であり、原発の稼働停止分を火力発電でまかなった分についても調整制度は適用されず、燃料価格の上昇分は発電会社の負担となる。なお、燃料費調整制度とは別に、経済産業大臣の認可が必要な電気料金(基本料金)の改定がある。また、ガス料金に対する同様な制度として、原料費調整制度がある。
[矢野 武 2022年9月21日]
(2012-10-01)
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