燔祭(読み)ハンサイ(英語表記)holocaust

翻訳|holocaust

デジタル大辞泉 「燔祭」の意味・読み・例文・類語

はん‐さい【×燔祭】

古代ユダヤ教における最も古く、かつ重要とされた儀式。いけにえの動物祭壇上で焼き、神にささげた。

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精選版 日本国語大辞典 「燔祭」の意味・読み・例文・類語

はん‐さい【燔祭】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「燔」はあぶり焼く意 ) 古代ユダヤ教で、神へのささげ物として雄牛・羊などの動物を石造りの祭壇で丸焼きにして供えたこと。また、そのようにして焼いた供え物。
    1. [初出の実例]「おのれの如く隣を愛するは諸の燔祭(ハンサイ)礼物よりも愈るなり」(出典:引照新約全書(1880)馬可伝福音書)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「燔祭」の意味・わかりやすい解説

燔祭
はんさい
holocaust

旧約聖書レビ記』でモーセが定めた供犠の1つ。供物を必要とし,雄牛,羊,やぎ,はと (この場合は,雄,雌を問わない) のみが用いられた。その目的は神の崇敬賛美,神への感謝,祈願贖罪の4つに大別され,供物が供壇で焼尽され,神のみに捧げられ,供犠中最も高貴なものとされた。ホロコーストは,転じて第2次世界大戦中のナチスによるユダヤ人大量虐殺をもさす。 (→灌祭 , 素祭 )  

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「燔祭」の意味・わかりやすい解説

燔祭
はんさい
‘ōlāh ヘブライ語
burnt offering 英語

動物犠牲の一種。奉献された犠牲動物は完全に祭壇で焼かれるため、特別に神聖な捧(ささ)げ物とされる。その一部なりとも祭司なり奉献者の食用に供してはならない。犠牲獣としては雄ウシ、ヤギヒツジハトなどが使われ、いずれも健全なものであることを要した。エルサレム神殿では毎日朝と午後、さらに安息日新月の日に、個人的には祭司の聖別、ハンセン病患者や産婦の清めなどに際して捧げられた。

[石川耕一郎]

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