爺（読み）ジジイ

デジタル大辞泉

じじい〔ぢぢい〕【^×爺】

年老いた男性。また、年老いた男性をののしっていう語。⇔婆ばばあ。
[類語]おじいさん・じいさん・老夫・老爺・翁おう・翁おきな・老翁

や【爺】［漢字項目］

［音］ヤ（呉）（漢）　［訓］じじ　じい　じじい
〈ヤ〉
１ 男の年寄り。「老爺・好好爺」
２ 父。「爺嬢」
〈じじい〉「狸爺たぬきじじい・花咲爺はなさかじじい」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

お‐じをぢ【爺・伯父・叔父・小父】

1. 〘 名詞 〙
2. [ 一 ] ( 爺 ) 老人。老翁。おきな。じじ。
   1. [初出の実例]「老翁 此をば烏膩(ヲヂ)と云ふ」(出典：日本書紀（720）神代下)
   2. 「奥山に 木伐(き)るや乎知(ヲチ) 木やは削(けづ)る 真木やは削る 木削る乎知(ヲチ)」(出典：催馬楽（７Ｃ後‐８Ｃ）奥山)
3. [ 二 ] ( 伯父・叔父 ) 父または母の兄弟。また、父または母の姉妹の夫。⇔おば。〔令集解（738）〕
   1. [初出の実例]「おのがをぢにものし給ひし按察大納言のむすめなり」(出典：源氏物語（1001‐14頃）須磨)
4. [ 三 ] ( 小父 )
   1. ① 家の跡継ぎ以外の、独身の兄弟。
      1. [初出の実例]「おぢやこれノウ、たんぼさ連ていてひきとらせろで」(出典：洒落本・温泉の垢（1798頃）)
   2. ② よその大人の男。→おじさま②・おじさん②。

爺の補助注記

[ 二 ]は漢字の意味に従って、父母の兄に当たる者を「伯父」、弟に当たる者を「叔父」と書きわけることが多い。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

爺
13画

[字音] ヤ
[字訓] ちち・おやじ・あるじ

[字形] 形声
声符は耶(や)。〔玉〕に「俗に爺の字と爲す」とあり、父母を爺嬢という。また「国姓爺(こくせんや)」のように男子の尊称に用い、主人・上官をいう。

[訓義]
1. ちち、おやじ。
2. あるじ、天子、上官。
3. としより。
4. 字はまた耶に作る。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕爺　チチ

[熟語]
爺家▶・爺娘▶・爺嬢▶・爺台▶・爺爺▶
[下接語]
阿爺・王爺・爾爺・少爺・太爺・老爺

出典　平凡社「普及版 字通」