出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
日本法医学の開祖,〈法医学〉の語をつくる。静岡県出身。1879年(明治12)東大卒。生理学教室に入ったが,その師ティーゲルErnst Tiegelの助手として裁判医学の講義・通訳をしたのが法医学に関与したはじまりで,81年助教授,84年ドイツなどに留学,88年帰国,教授となり裁判医学を担当。法医学と改称し,93年の講座制発足に際し法医学講座の初代教授として,日本における近代的法医学を樹立し,科学の力によって法の公正を保つようにした。優れた弟子を育てる一方,犯罪で酒がもととなっていることの少なくないことから,禁酒運動に力を入れ,さらに同仁会副会長,静岡県医学会名誉会員になるなど,社会的な面でも活躍した。著書に《裁判医学提要》《法医学提要》《酒害の真相》などがある。
執筆者:長門谷 洋治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
… 日本における近代法医学は,1875年解剖学教師デーニツWilhelm Doenitz(1838‐1912)が警視庁裁判医学校において公法医学あるいは裁判医学として講義したのが始まりである。82年には,日本人による最初の法医学書が《裁判医学提綱前編》として,片山国嘉らによって刊行された。片山は,日本の法医学の始祖とされ,81年に東京大学において,日本人として初めて法医学を講義した。…
※「片山国嘉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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