特異日(読み)とくいび(英語表記)singularity

翻訳|singularity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

長年にわたって毎気象状態の平均をとったとき,特定の日に,ある気象状態が偶然とは考えられないほど大きな確で出現し,かつその前後の日にはそれほど大きくない出現確率のとき,この日を特異日,あるいはシンギュラリティー singularityと呼ぶ。日本では 1月16日および 3月14日の「晴れ」,4月3日の「春の荒れ」,4月6日の「の戻り」,5月2日の「八十八夜の別れ」(→別れ霜),6月11日の「入梅」,9月17日および 26日の「台風来襲」,11月3日の「秋晴れ」などがよく知られる。特異日が現れる気象学的原因はまだ説明しきれていないが,特異日は季節の移り変わりとよく対応することから,季節区分の目安として使われる。

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知恵蔵の解説

統計的にみて、ある特定の気象状態が現れやすい日。気象学的な原因は明らかでない。11月3日の文化の日晴天など。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

ある特定の天気が現れやすい日。長期間の日別の天気統計をとると,低温の現れやすい日,台風の襲来のめだつ期間などがみつかる。たとえば東京の1月3日は一年中で最も晴天率の高い特異日で,逆に悪天の特異日は6月28日である。
→関連項目花冷え

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とっさの日本語便利帳の解説

一年のうちで、ある特定の天気が現れやすい日。例えば、一一月三日の文化の日は晴れの特異日、九月一七、二六日は大型台風来襲の特異日など。

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世界大百科事典 第2版の解説

1年のうち,ある特定の日に,その前後の日と比べ,偶然とは思われないほど多く,ある気象状態が現れる現象,あるいはその日のこと。たとえば11月3日文化の日は,もと明治節であり,〈明治天皇誕生日だから晴れる〉といわれたが,事実,統計をとってみると,この日は移動性高気圧におおわれ,晴れることが多い。これが特異日の一例である。この現象は1930年代にドイツのシュマウスA.Schmaussが研究し,中には偶然に現れ特別の意味のないものもあるが,少なくともいくつかは統計的に有意性が高いことを確かめた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ある気象状態が、前後の日に比べてひときわ多く現れた実績のある日をいう。たとえば東京において11月3日は、前後の日に比べ、過去において晴れの出現した率が高く、雨の出現した率が低いという統計結果がある。このような場合に、東京の11月3日は晴れの特異日である、というようにいっている。その日が特異日であるからといって、毎年同じ天気になるというわけではない。東京の11月3日が雨となることはある。

 災害に結び付く特異日現象もある。8月初め、8月末、9月なかば、9月末には、台風が日本に接近しやすい何日間かがある。毎年その時期に台風が来襲すると限ったわけではないにしても、注意すべき時期である。また関東の場合、4月早々に高温となった直後に低温が戻るという特異日がある。4月6日がその低温の特異日とされ、霜に注意したほうがよいとされている。

 特異日がなぜ現れるのかを十分に説明することはできないが、気圧配置が特異日のころに、ある特定の癖を出しやすいのであろう、と考えられている。

[平塚和夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ある特定の天気がかなり高い確率であらわれる、暦日上の特定の日。日本では、晴れの日が多い一一月三日・一〇月一七日など。

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