明治天皇を記念して制定された祝日。1927年1月25日,貴族院,衆議院は明治節制定の建議を可決し,同年3月3日の詔書で,明治天皇の誕生日である11月3日を明治節と定めることが公布された。祝祭日には,国家的な祝い日である祝日と,皇室の祭典を行う日である祭日とがあったが,明治節は新年節(1月1日),新年宴会(1月5日),紀元節(2月11日),天長節(4月29日)とともに祝日とされた。また祝日のうちでも新年節,紀元節,天長節,明治節は四大節として,学校や軍隊では祝賀式が行われた。
明治天皇の在位期間は日本が統一国家として成立,発展した期間にあたったために,国家の威信を高めた英明な天皇として賛美され,明治節は国家主義と天皇崇拝を高めるための記念日となった。なお11月3日は,明治時代には天長節であり,第2次世界大戦後の48年7月20日公布の〈国民の祝日に関する法律〉では〈文化の日〉として祝日とされた。
執筆者:藤原 彰
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昭和前期の祝日。明治天皇の遺徳をしのび、明治時代を追慕する目的で制定された。明治天皇の誕生日である11月3日(天長節)があてられた。四方拝、紀元節、天長節と並んで四大節(しだいせつ)の一つに数えられ、この日は宮中でも祭儀と宴会が行われる。第二次世界大戦後の1948年(昭和23)に廃止されたが、11月3日は「文化の日」として現在も継承されている。
[酒井信彦]
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