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狭骨盤 きょうこつばんcontracted pelvis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

狭骨盤
きょうこつばん
contracted pelvis

骨産道の一部または全部の経線が平均値より短い場合をいう。大部分は原因不明で,佝僂病幼時からの跛行でも起ることがある。胎児が小さければ自然分娩が可能であるが,通常は児頭が産道を通過できないため,帝王切開手術を行う。骨盤の大きさは普通でも,胎児が大きすぎれば同じ結果となるので,最近は,児頭骨盤不適合と呼ぶことが多い。

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百科事典マイペディアの解説

狭骨盤【きょうこつばん】

小骨盤入口の径線の一部あるいは全部が正常値より短く,普通大の成熟児の分娩(ぶんべん)に支障をきたすもの。一般に真結合線は約11cmであるが,それ以下の場合をいい,程度によって4度に分ける。

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家庭医学館の解説

きょうこつばん【狭骨盤 Contracted Pelvis】

[どんな病気か]
 お母さんの身長が低い(一般には145cm以下)場合や、予定日近くなっても胎児(たいじ)が骨盤の中に降りてこない場合、陣痛(じんつう)があるのにお産が進まない場合などに、骨盤の大きさや形をみるためにX線写真を撮ることがあります。このX線写真の結果、正常な人と比べて骨盤が狭い場合を狭骨盤といいます。骨盤の狭さの程度により、狭骨盤と比較的狭骨盤(ひかくてききょうこつばん)に分類されます(図「狭骨盤の定義」)。
[治療]
 比較的狭骨盤の場合、経腟分娩(けいちつぶんべん)(正常にお産すること)が可能なこともありますが、一般的には、いつでも帝王切開(ていおうせっかい)(「特殊な分娩」の帝王切開術)ができる準備をしながら、お産に臨むことが多いものです。胎児の大きさやむき(さかごなど)によっては、お産が進まない可能性が高いので、そのときは帝王切開を行ないます。狭骨盤の場合は、帝王切開を行ないます。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうこつばん【狭骨盤 contracted pelvis】

骨産道を形成する小骨盤腔が狭く,成熟児の通過が困難または不可能のものをいい,小骨盤腔の諸径線の一部または全部が短い。狭骨盤の分類基準としては,岬角から恥骨結合後面までの最短距離の産科真結合線が用いられる。ブムErnst Bummは,産科真結合線10.5cm以下を4度に分け,9.5cmまでを第1度狭骨盤とし,7.5cm以下の第3度,第4度狭骨盤を帝王切開の必要なものとした。最近,母体のみならず児の予後が重視されるようになったため,産科真結合線9.5cm未満,入口横径10.5cm未満を狭骨盤と定義するようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

狭骨盤
きょうこつばん

分娩(ぶんべん)時に胎児が通過する骨産道が狭く、通常の大きさの胎児が通過できないことが多いものをいう。分娩の3要素である産道、胎児、陣痛は互いに関連があり、骨産道が狭いと児頭の回旋がうまく行われなかったり、陣痛も強くなりすぎたり微弱になったりする。骨盤骨折などが原因で、変形のために骨盤腔(くう)が一部狭くなっているものを除けば、骨盤腔が全体的に小さいものが多い。骨産道の上縁に相当する骨盤入口部の縦径である恥骨結合後面と仙骨上縁(岬角(こうかく))を結ぶ最短距離(産科的結合線)が9.5センチメートル未満か、横径の最大距離が10.5センチメートル未満の場合を絶対的狭骨盤といい、40~73%が帝王切開となる。この縦径が9.5~10.5センチメートルあるいは横径が10.5~11.5センチメートルの場合は比較的狭骨盤といい、約24%が帝王切開となる。一般に、身長の低い女性は骨盤腔も小さい。骨盤腔の広さを知るためには、X線撮影による骨盤計測が用いられることが多い。最近では、骨盤の大きさだけでなく、児頭の大きさも超音波断層法によって計測できるようになったので、児頭と骨盤腔の相対的な大きさを問題とする児頭骨盤不均衡という考え方がなされることが多い。児頭骨盤不均衡の有無は、骨盤計測と児頭計測のほか、分娩の進行ぐあいを観察する試験分娩によって判定されることが多い。[新井正夫]

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世界大百科事典内の狭骨盤の言及

【出産】より

…したがって仙骨が正常の凹湾でなく直線的あるいは膨隆する場合には分娩の障害になることがある。産科真結合線は岬角から恥骨結合後面に至る最短距離で平均11.5cmあり,これが9.5cm未満を狭骨盤,9.5cm以上10.5cm未満を比較的狭骨盤という。この産科真結合線は骨産道の最短前後径であるが,仙骨が直線あるいは膨隆する場合には闊部に最短前後径があって,闊部で容易に行われるはずの児頭回旋が行われなくなる。…

※「狭骨盤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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