玉眼(読み)ぎょくがん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

玉眼
ぎょくがん

仏像の目に水晶を入れたもので,眼球部分をくりぬき,内側から水晶を当てて瞳を描き,当て木で押える方法をとる。鎌倉時代以降多用され,玉眼像であれば鎌倉時代の制作とみる傾向が強いが,仁平1 (1151) 年銘の長岳寺蔵『阿弥陀三尊像』,久寿1 (54) 年銘の峰定寺蔵『毘沙門天立像』,応保2 (62) 年の成身院旧蔵の『毘沙門天立像』などは平安時代後期の作例である。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょく‐がん【玉眼】

仏像などの眼(め)に水晶などをはめこんだもの。また、その技法。彫眼(ちょうがん)にかわって鎌倉時代以後一般化した。
高貴な人の目。また、女性の美しい目。

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百科事典マイペディアの解説

玉眼【ぎょくがん】

木造の仏像で,目の部分に水晶をはめこんで,実際の目に近い感じを表す技法。眼球に当たる部分をくり抜き,その穴に内側から水晶の板をあて,その裏に瞳(ひとみ)を描き,綿をあてて木で押さえ,留める。平安末期から行われ,鎌倉時代以後一般的となった。これに対して,木を彫り出すだけで目を表すのを彫眼(ちょうがん)と呼ぶ。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょくがん【玉眼】

彫像に用いられる水晶製の眼。眼球の部分をくりぬいて頭部内の内ぐりと貫通させ,内側から凸レンズ状の水晶の裏に瞳を描き,後ろに綿か紙を当てて白眼の部分とし,全体を当て木で押えて竹釘で留める。彫眼に対して独特な写実的効果をあげる。仁平1年(1151)の銘をもつ奈良長岳寺阿弥陀三尊像を初例とし,平安時代末期に始まり鎌倉時代以降,時代の写実的な美意識に支えられて盛んに用いられた。中国には同様の技法は知られない。

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大辞林 第三版の解説

ぎょくがん【玉眼】

水晶・珠玉・ガラスなどを細工してはめこんだ仏像などの目。日本では鎌倉時代から盛んに行われるようになった。
女性の美しい目。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

玉眼
ぎょくがん

仏像の眼部に水晶をはめ込んで、実際の人間の眼(め)に近い輝きをもたせたもの。彫像の頭部を、像自体の矧(は)ぎ目とは別に、面部を割り離し、面部の内側を刳(く)って眼に穴をあけ、レンズ状に磨いた水晶の薄片を当て、内側に瞳(ひとみ)を描いた絹や紙をあてがって綿で押さえ、さらに木片で押さえる。この当て木は周囲から竹針で止めるが、漆で接着した例もある。玉眼は運慶(1223没)の創案ともいうが、それ以前、1151年(仁平1)の奈良・長岳寺阿弥陀(あみだ)三尊にすでに使用されている。俗説としてガラスを使ったともいうが、ガラスを使用した例は近世のごくわずかな例を除いてはない。[佐藤昭夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぎょく‐がん【玉眼】

〘名〙
① 水晶、珠玉ガラスなどを細工して、彫像や人形などにはめ込んだ目。
俳諧佐夜中山集(1664)一「玉眼といふべき露や仏の座〈元定〉」
② (「玉」は美称) 高貴な人の目。また、女の美しい目。

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世界大百科事典内の玉眼の言及

【鎌倉時代美術】より

…地方豪族の発願になる粗野で力強い仏像彫刻が見られるようになり,中央でもようやく定朝(じようちよう)様の温雅な様式からの脱皮を意図する作品が出てくる。1151年(仁平1)造立の奈良長岳寺の阿弥陀三尊像に見る量感の表現はこれまでに求められないもので,特に玉眼の使用が注目される。玉眼は鎌倉時代に顕著な技法であって,この像が現存最古の例である。…

※「玉眼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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