王寺(町)(読み)おうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「王寺(町)」の意味・わかりやすい解説

王寺(町)
おうじ

奈良県北西部、北葛城(かつらぎ)郡にある町。1926年(大正15)町制施行。古代には葛下(かつげ)川流域一帯は片岡と総称され、本町域は片岡谷、片岡荘とよばれて王寺地区がその中心集落であった。奈良盆地の諸川を集めて大阪府に流出する大和(やまと)川渓口部の左岸に位置し、古くから大阪、奈良を結ぶ交通の要所、商業取引の中心地として栄えてきた。JR関西本線(大和路線)が通じて和歌山線を分岐し、近畿日本鉄道生駒(いこま)線および田原本(たわらもと)線の始発駅があり、国道25号、168号が走る。1890年(明治23)に鉄道が敷設されてから「交通のまち」として知られ、近年は大阪のベッドタウンとして住宅団地の建設が盛んである。特産品に砥石(といし)がある。臨済宗達磨寺(だるまじ)は聖徳太子ゆかりの古寺で、木造達磨坐像(ざぞう)、木造聖徳太子坐像は国の重要文化財。面積7.01平方キロメートル、人口2万4043(2020)。

[菊地一郎]

『『王寺町史』(1969・王寺町)』『新訂『王寺町史』全2巻(2000・王寺町)』


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