株式の売買取引の決済において現金と株券との現物で受け渡す取引のことで,信用取引に対する言葉。清算取引に対しては実物取引というのが一般的であるが,いずれにせよ,その実態は同じである。株式取引における取引所取引は,売買してから決済されるまでの期間により,当日決済取引,普通取引,発行日決済取引,特約日決済取引に分けられるが,このうち現物取引は当日決済取引,発行日決済取引,特約日決済取引のほか,信用取引以外の普通取引が含まれる。第2次大戦後の取引所再開にあたり,GHQが提示した証券取引3原則の一つ〈先物取引の禁止〉を受けて,日本における取引所取引はあくまで現物取引になっている。なお信用取引も顧客と証券会社間の信用であり,取引所における証券会社間の取引は当然現物で決済される。
執筆者:吉岡 正毅
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[市場の取引形態]
この二つの基本型に沿って市場の組織化の段階を追ってみる。最初の形は取引する商品を実際に市場に持ち込む現物取引であろう。品質が一定した商品が多く生産されるようになると,見本だけで取引する見本取引が可能になる。…
…このような信用取引により,いわゆる仮需給が証券市場に導入されると,実需給しか存在しない場合に比べて価格の急激な変動が防止され,公正な価格形成と株式取引の円滑化が促進される。このように信用取引は現物取引(信用取引に対するのが現物取引であるが,清算取引に対しては実物取引という。その実態は両者とも同じ)の補完作用をなすもので,1951年に信用取引制度が認められた意義もここにある。…
…取引所における売買取引の一種で,有価証券の清算取引と商品の清算取引とがある。実物取引(信用取引に対しては現物取引というが,実態は同じ)に対するもので,現物の引渡しのほか転売・買戻しによる差金決済もできる取引である。清算取引は現在商品取引所において先物取引という名称で行われているが,証券取引所での取引は,1945年の取引所再開に際してGHQの指示で禁止された。…
…現在,取引品目は商品,証券のほか,アメリカなどでは通貨から,金利,株価指数にまで広がっている。 取引所は当初,実際にある品目の売買,〈現物取引〉の場として出現したが,手もとにない品目についても先行きの一定の時期に受け渡す約束の〈先物取引〉が生まれた。組織形態としては非営利法人と株式会社に分かれる。…
※「現物取引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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