本来は青いウメの実をシソの葉でくるみ砂糖漬けにした菓子で、江戸時代末期には新吉原の引手茶屋などが夏の間につくり、年始の贈り物にしたという。「甘露梅、女芸者の加役(かやく)なり」と川柳(せんりゅう)にもその情景が詠まれているが、この甘露梅の前身は、いわゆる月ヶ瀬漬けのような甘酢(あまず)漬けであったとみられる。昭和初期までは田舎(いなか)の茶の子には梅干しに砂糖をかけたものが供されたが、これは甘露梅をまねたもので、それほどにこの菓子は手作り風味が珍重されたのである。現在、商品化されている甘露梅は、餡(あん)を求肥(ぎゅうひ)でくるみシソの葉で包んだものとなっている。熱海(あたみ)、小田原の「甘露梅」、水戸の「水戸の梅」などの名物がある。岩手県一関(いちのせき)市の「田村の梅」は本来の姿をよく残した秀菓である。
[沢 史生]
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新