梅酢(読み)ウメズ

デジタル大辞泉 「梅酢」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ず【梅酢】

梅の実を塩漬けにしたときに梅から出る酸味の強い汁。白梅酢ともいい、下痢止め色止め漬物に用いる。赤ジソの葉を加えたものは赤梅酢といい、梅干しのほかショウガ大根カブなどの色漬けに用いる。
[類語]食酢生酢きず木酢きずポン酢ポンス三杯酢二杯酢酢醤油酢味噌ビネガーバルサミコ酢

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精選版 日本国語大辞典 「梅酢」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ず【梅酢・梅醋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「うめす」とも ) 梅の実を塩漬けにしたとき、梅から出る酸味の強い汁。梅白酢ともいい、古くから夏まけや寝冷えによる下痢止めの妙薬とされ、色止めの働きもある。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「梅酢」の意味・わかりやすい解説

梅酢 (うめず)

ウメの実を塩づけにすると,食塩の作用で浸透圧が高くなり,細胞の原形質分離が起こって浸出液が出る。食塩を溶かしこんだこの浸出液が梅酢で,きわめて酸味が強い。酸味の主体はクエン酸である。《和名抄》には塩梅えんばい)を〈梅酢也〉としており,この塩梅がやがて〈あんばい〉と読まれて味かげんを意味するようになった。梅酢はそれほど重要な調味料であったといえよう。梅干しをつくるための下づけで得られるのを白梅酢,赤ジソの葉を加えシソニンshisoninによって鮮紅色になったものを赤梅酢と呼ぶ。いずれも何年でも保存ができ,前者は夏まけや下痢どめの民間薬とされ,後者はショウガ,ミョウガダイコンなどをつけ込み食用に供せられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「梅酢」の意味・わかりやすい解説

梅酢
うめず

塩漬けしたウメの実から出てきた汁で、酸味料の一種。ウメの実を塩漬けにし、重石(おもし)をかけ、約2週間程度置くと出てくる、やや黄色を帯びた汁である。ウメの中に多く含まれるクエン酸が主体の、非常に酸味の強い酢である。この酢は白梅酢(しろうめず)とよばれ、これに、塩もみしたアカジソの葉を加え、赤色になったものを赤梅酢(あかうめず)あるいは紅梅酢(こうばいず)という。白梅酢は梅漬け用のほか、胃腸によいとして、あるいは暑気あたり用として、古くから薬用に用いられてきた。赤梅酢はショウガ、ミョウガ、ダイコンなどの野菜の酢漬けに用いられる。このほかイワシなどの魚や、蓮根(れんこん)のような根菜の煮物にも使用される。

[河野友美・大滝 緑]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梅酢」の意味・わかりやすい解説

梅酢
うめず

梅の実を塩漬にしてしぼり取った汁。酸味が強く,風味があり,漬物などに用いる。

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