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生ける法 いけるほうlebendes Recht

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生ける法
いけるほう
lebendes Recht

法律の規定とは別個に,現実の社会生活のなかで実際に機能している法的な慣習。慣習法を重視する歴史法学派によって注目された。また,E.エールリヒ生ける法の探求を法社会学の課題とした。

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世界大百科事典 第2版の解説

いけるほう【生ける法 lebendes Recht[ドイツ]】

E.エールリヒが作った概念。社会を構成する一般の人々がその相互の関係における行為に妥当するものとして承認し,かつ事実上も通常それに従って行動している準則と定義される。全体社会下位集団たるもろもろの社会集団(家族,村落,職場,実業界等々)の各々の内部で,それぞれの歴史と実情に即した内容を持ち,独自の非組織的制裁に支えられている。徐々に自生的に生成,発展,衰退,消滅する慣習や習俗規範のみでなく,関係当事者間の個別的な合意や普遍妥当的な実定法規なども,上記のメカニズムによって支持されて,人々の日常的な行動を規定しているときは,生ける法といえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生ける法
いけるほう

民衆の意識に支えられ、民衆の現実の行動を支配している法規範。オーストリアの法学者エールリヒによって、制定法に対立するものとして用いられたことば。エールリヒは、この「生ける法」lebendes Rechtが制定法の基礎をなすもので、それなしには制定法は行われないとし、制定法の条文を注釈する法解釈ばかりが法学ではなく、この生ける法を研究する法社会学が必要であることを主張した。日本のように外国から法制度を継受した国は、制定法と生ける法とのずれが大きく、日本における法社会学の先駆者たちは、エールリヒの影響下で、農村慣行調査などを通じて生ける法を採用しようとした。[長尾龍一]

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世界大百科事典内の生ける法の言及

【法社会学】より

…法社会学の自覚的展開は,第1次大戦による社会関係の激変を背景として,現実と遊離した国家法を鋭く批判した末弘厳太郎の研究に始まる。エールリヒの〈生ける法〉(現実に人間の行動を規律している行為規範)の理論は,末弘が国家法と社会的現実とのギャップを認識するうえに重要な役割を果たした。末弘の影響は,平野義太郎マルクス主義法学の研究と,それによる日本資本主義の機構と法律の批判を生み出した。…

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