個々人で異なる身体や行動の特徴を利用して本人を確認する機能のこと。バイオメトリクス認証biometrics authenticationともよばれる。指紋、手の形、瞳の虹彩模様、網膜、目や口の位置、顔の輪郭、指などで複数の静脈が交わるパターン、声紋などが使われており、いずれも精度が高く偽造がされにくいという利点がある。パスワードのように忘れることもなく、ICカードのように紛失の恐れもない。コンピュータなどのネットワークへのアクセスコントロールや、ネットワークを介した取引などの際の本人確認、あるいは建物や部屋への入退出管理など、セキュリティが要求されるところで使われる。2001年のアメリカ同時多発テロ以降、厳密な本人確認が必要な空港や原子力発電所のほか、金融機関、大学や企業の研究機関、病院、個人向けマンションなどで導入の動きが広がっている。
画像処理によって認識した身体の一部の情報をICチップなどに記録し、カメラなどで読み取った身体特徴と照らし合わせて本人かどうかを確認する場合が多い。磁気に比べ記憶容量が大きいICチップの実用化により、生体認証の普及に弾みがついた。指紋認証ではシリコンなどでできた偽装指による犯罪も起きているが、身体の内部にある静脈や虹彩などは複製しにくいことから、相対的に安全性が高いとされる。
日本では、キャッシュカード偽造事件が相次いだため、金融機関で手のひらの静脈や指の静脈を使った生体認証が採用されている。ただ三菱(みつびし)UFJ銀行が手のひら方式、三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行などが指方式を採用し、二つの仕様が並立している。互換性のない認証技術が乱立するのを防ぐため、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同会議は認証規格の標準化に取り組んでいる。
[編集部]
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(斎藤幾郎 ライター / 2009年)
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