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生物季節 せいぶつきせつphenology

翻訳|phenology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生物季節
せいぶつきせつ
phenology

気温や日照など季節の変化に反応して動植物が示す現象をいう。発芽や開花,紅葉,落葉などを植物季節渡り鳥の去来や発情,産卵,鳥の鳴き始めなどを動物季節と呼び,それらを観測することで,気象を並年と比較したり,農作業に役立てたりしている。桜の咲き具合から季節の進み具合を推測する桜前線,同様の紅葉前線などが一般的。広義には人間生活にかかわる農事・生活季節も含まれる。

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知恵蔵の解説

生物季節

季節の変化によって鳥がさえずり花が咲くといったような、動植物が示す季節現象をいい、広義には農事・生活季節も含める。植物の発芽や開花、紅(黄)葉、落葉などの日を毎年同じ場所で標本を決めて観測することを植物季節観測、動物の出現や渡り鳥の去来、鳴き始めなどを観測することを動物季節観測と呼び、季節の進み・遅れや農作業の適期などを知るのに役立つ。桜の開花日、カエデの紅葉日の同じ地点を結んだ線が、それぞれ桜前線、紅葉前線。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

せいぶつ‐きせつ【生物季節】

生物の活動にみられる季節現象。開花・落葉や鳥の渡り・虫の鳴き始めなど。→不時現象生物季節観測

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百科事典マイペディアの解説

生物季節【せいぶつきせつ】

生物界に見られる季節現象。植物の発芽,開花,紅葉,落葉,結実などを植物季節,渡り鳥の渡去来,昆虫類・爬虫(はちゅう)類の初見などを動物季節,作物の播種(はしゅ),収穫などを作物季節という。
→関連項目季節季節学農業気象

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世界大百科事典 第2版の解説

せいぶつきせつ【生物季節】

動植物に関係の深い季節現象をいう。広義には農事・生活季節もこれに含める。動物については渡り鳥の去来期,鳥の初鳴日,昆虫や爬虫類の出現・退行期など,植物については,発芽,開花,満開,結実,紅葉,落葉の期日などがそのおもな観測項目である。これらの期日を用いて地図上に等期日線を引いて季節の進行を容易に知ることができる(図a,図b)。開花日の北上や紅葉日の南下などは,気象学の前線になぞらえて,サクラ前線とか紅葉前線と呼んで一般に親しまれている。

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大辞林 第三版の解説

せいぶつきせつ【生物季節】

動物や植物が示す季節現象。季節の移り変わりとともに変化する動・植物の状態によって季節の進み具合などを知る。鳥の渡り・鳴き始め、植物の発芽・開花など。 → 開花前線

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生物季節
せいぶつきせつ

生物の種々の活動にみられる季節による変動をいう。開花、発芽、結実などにみられる植物季節、渡り、休眠、発情などにみられる動物季節、人間生活の変化として現れる生活季節が含まれる。
 これらの季節的現象は、生物の生活環境、たとえば気候、日長などが季節によって変動することにより引き起こされることが多い。したがって、生物季節から特定の地域の気象環境を総合的に把握できる。たとえば、ソメイヨシノの開花は平均気温が10℃に達すると始まるため、開花を観測することによって各地の気温を推測することができる。生物季節による気象環境の推測は、精密な気象観測手段のなかった時代から今日に至るまで、農業や林業産物の管理などに広く利用されている。種々の植物の開花や結実の時期を暦上に並べた花暦(はなごよみ)が、古くから農作業などの指標として用いられていることは、その一例である。一方、日長の支配を受ける生物季節、たとえばキクの開花では、人工的に日照時間を変えて開花時期を調節することができる。真冬にみられるキクの花は秋ギクや寒ギクの開花を電灯照明で抑制したものである。
 環境の直接の影響によるのではなく、生物の体内に組み込まれた約1年周期の生物時計が生物季節を支配している例も、小形哺乳(ほにゅう)類の冬眠や夏眠、鳥類の渡りや繁殖などで知られている。[佐藤 哲]

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