生物体に取り込まれた物質の代謝速度を示す指標の一つ。体内に取り込まれた物質が排出あるいは代謝によって減少し,そのときの減少速度がその物質の体内量に比例している場合,最初にあった量が半分になるまでの時間をいう。たとえば,あるとき一度に100単位の物質を体内に取り込み,体内量が10日後には50単位,20日後には25単位,さらに30日後には12.5単位に減少するとき,この物質の生物学的半減期は10日であるという。この例のように短時間で取り込んだ物質に対しては排出速度の指標であるが,環境汚染の場合のように連続的に体内に取り込む物質に対しては蓄積速度あるいは濃縮の指標ともなる。体内に入った放射性物質からの放射線の防護を考えるうえで理論化された用語であるが,放射性でない通常の元素あるいは環境汚染物質にも適用できる。
→生物濃縮
執筆者:稲葉 次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
生理的な排出過程によって,生体内に取り込まれた放射性物質の放射能が,半分になるのに要する時間.生体内の放射性物質の放射能は見掛け上,生理的排出過程と放射性崩壊の両方によって減少していくが,この両方によって放射能が半分になるまでの時間を実効半減期という.生物学的半減期 Tb,物理学的半減期 Tp(放射性崩壊によって放射能が半分になるのに要する時間)と実効半減期Tの間には,
の関係がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…核分裂や核融合で多種の放射性同位体が同時に生成される場合,半減期の短いものは早くなくなり,長い半減期のものは後まで残ることになる。生体中に放射性物質が取り込まれたときには,新陳代謝を考慮した生物学的半減期が用いられることがある。【山崎 敏光】。…
※「生物学的半減期」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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