産業を支える科学技術の研究を総合的に行う経済産業省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。略称、産総研。英語名はNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology、略称はAIST。「国立研究開発法人産業技術総合研究所法」(平成11年法律第203号)を根拠法とする。産総研は1882年(明治15)に設立された農商務省地質調査所に始まる。1925年(大正14)農商務省から分割した商工省は地質調査所等の試験研究機関を傘下に収めていたが、1948年(昭和23)商工省の外局として工業技術庁が設立。同庁に12の試験研究機関が集められた。1949年に通商産業省が設立し、1952年、工業技術庁は工業技術院に改編された。2001年(平成13)1月、中央省庁再編に伴い経済産業省に所属変更。同年4月、工業技術院の15の試験研究所と計量教習所の統合・再編により、独立行政法人産業技術総合研究所が設立。2015年4月、国立研究開発法人に移行した。東京本部(東京都千代田区霞が関(かすみがせき))とつくば本部(茨城県つくば市梅園(うめぞの))および全国9か所の地域研究拠点が設置されている。
産総研の目的は、「鉱工業の科学技術に関する研究及び開発等の業務を総合的に行うことにより、産業技術の向上及びその成果の普及を図る」(産業技術総合研究所法第3条)ことである。産総研で行われる研究は以下の七つの領域(5領域、2総合センター)に分かれ、それぞれに特定の課題に取り組む研究センター、継続性をもって進める研究部門が設置されている。
(1)エネルギー・環境領域 太陽光発電、再生可能エネルギー、先進パワーエレクトロニクスの各研究センターと、創エネルギー、電池技術、省エネルギー、環境管理、安全科学の各研究部門からなる。
(2)生命工学領域 創薬分子プロファイリング研究センターと、創薬基盤、バイオメディカル、健康工学、生物プロセスの各研究部門からなる。
(3)情報・人間工学領域 自動車ヒューマンファクター、ロボットイノベーション、人工知能の各研究センターと、情報技術、人間情報、知能システムの各研究部門からなる。
(4)材料・化学領域 触媒化学融合、ナノチューブ実用化、機能材料コンピュテーショナルデザイン、磁性粉末冶金(やきん)の各研究センターと、機能化学、化学プロセス、ナノ材料、無機機能材料、構造材料の各研究部門からなる。
(5)エレクトロニクス・製造領域 スピントロニクス、フレキシブルエレクトロニクス、先進コーティング技術、集積マイクロシステムの各研究センターと、ナノエレクトロニクス、電子光技術、製造技術の各研究部門からなる。
(6)地質調査総合センター 活断層・火山、地圏資源環境、地質情報の各研究部門と、地質情報基盤センターからなる。
(7)計量標準総合センター 工学計測標準、物理計測標準、物質計測標準、分析計測標準の各研究部門と、計量標準普及センターからなる。
[編集部 2017年11月17日]
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