産業技術総合研究所(読み)サンギョウギジュツソウゴウケンキュウショ

デジタル大辞泉 「産業技術総合研究所」の意味・読み・例文・類語

さんぎょうぎじゅつ‐そうごうけんきゅうしょ〔サンゲフギジユツソウガフケンキウシヨ〕【産業技術総合研究所】

計量標準地質調査産業基盤技術の研究開発エネルギー環境技術などの研究、国際的な産業競争力強化や新産業の創出に向けた研究、ならびにそれらの成果普及のために、工業技術院の15の研究機関と計量教習所を統合して平成13年(2001)に設立された経済産業省所管の独立行政法人国立研究開発法人)。産総研

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精選版 日本国語大辞典 「産業技術総合研究所」の意味・読み・例文・類語

さんぎょうぎじゅつ‐そうごうけんきゅうじょサンゲフソウガフケンキウジョ【産業技術総合研究所】

  1. 〘 名詞 〙 経済産業省所管の独立行政法人の一つ。計量の標準や地質の調査、産業基盤技術の研究・開発、エネルギー・環境技術などの研究、国際的な産業競争力強化や新産業の創出に向けた研究、ならびにそれらの成果普及のために、工業技術院の一五の研究機関を統合して平成一三年(二〇〇一)に設立。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「産業技術総合研究所」の意味・わかりやすい解説

産業技術総合研究所
さんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうじょ

産業を支える科学技術の研究を総合的に行う経済産業省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。略称、産総研。英語名はNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology、略称はAIST。「国立研究開発法人産業技術総合研究所法」(平成11年法律第203号)を根拠法とする。産総研は1882年(明治15)に設立された農商務省地質調査所に始まる。1925年(大正14)農商務省から分割した商工省は地質調査所等の試験研究機関を傘下に収めていたが、1948年(昭和23)商工省の外局として工業技術庁が設立。同庁に12の試験研究機関が集められた。1949年に通商産業省が設立し、1952年、工業技術庁は工業技術院に改編された。2001年(平成13)1月、中央省庁再編に伴い経済産業省に所属変更。同年4月、工業技術院の15の試験研究所と計量教習所の統合・再編により、独立行政法人産業技術総合研究所が設立。2015年4月、国立研究開発法人に移行した。東京本部(東京都千代田区霞が関(かすみがせき))とつくば本部(茨城県つくば市梅園(うめぞの))および全国9か所の地域研究拠点が設置されている。

 産総研の目的は、「鉱工業の科学技術に関する研究及び開発等の業務を総合的に行うことにより、産業技術の向上及びその成果の普及を図る」(産業技術総合研究所法第3条)ことである。産総研で行われる研究は以下の七つの領域(5領域、2総合センター)に分かれ、それぞれに特定の課題に取り組む研究センター、継続性をもって進める研究部門が設置されている。

(1)エネルギー・環境領域 太陽光発電、再生可能エネルギー、先進パワーエレクトロニクスの各研究センターと、創エネルギー、電池技術、省エネルギー、環境管理、安全科学の各研究部門からなる。

(2)生命工学領域 創薬分子プロファイリング研究センターと、創薬基盤、バイオメディカル、健康工学、生物プロセスの各研究部門からなる。

(3)情報・人間工学領域 自動車ヒューマンファクター、ロボットイノベーション、人工知能の各研究センターと、情報技術、人間情報、知能システムの各研究部門からなる。

(4)材料・化学領域 触媒化学融合、ナノチューブ実用化、機能材料コンピュテーショナルデザイン、磁性粉末冶金(やきん)の各研究センターと、機能化学、化学プロセス、ナノ材料、無機機能材料、構造材料の各研究部門からなる。

(5)エレクトロニクス・製造領域 スピントロニクス、フレキシブルエレクトロニクス、先進コーティング技術、集積マイクロシステムの各研究センターと、ナノエレクトロニクス、電子光技術、製造技術の各研究部門からなる。

(6)地質調査総合センター 活断層・火山、地圏資源環境、地質情報の各研究部門と、地質情報基盤センターからなる。

(7)計量標準総合センター 工学計測標準、物理計測標準、物質計測標準、分析計測標準の各研究部門と、計量標準普及センターからなる。

[編集部 2017年11月17日]

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百科事典マイペディア 「産業技術総合研究所」の意味・わかりやすい解説

産業技術総合研究所【さんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうじょ】

2001年4月に設置された経済産業省所管の独立行政法人。略称,産総研。産業技術の広い分野においてさまざまな技術開発を総合的に展開する日本最大級の研究組織。東京本部,つくばセンターのほか,北海道,東北,臨海副都心,中部,関西,中国,四国,九州に研究拠点がある。前身は通商産業省工業技術院。中央省庁再編による工業技術院の廃止と独立行政法人化に時間的ずれがあったため,2001年1月6日から3月31日まで暫定的に経済産業省産業技術総合研究所となっていた。研究体制を7年間を最長として集中的に研究にあたる〈研究センター〉,一定の期間,継続的に研究を展開する〈研究部門〉,新しい研究や異分野融合の促進,行政ニーズに機動的に対応する〈研究ラボ〉の三つに区分。初代理事長は元東京大学総長,吉川弘之。東京本部の所在地は東京都千代田区。
→関連項目工業技術院

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「産業技術総合研究所」の意味・わかりやすい解説

産業技術総合研究所
さんぎょうぎじゅつそうごうけんきゅうじょ

鉱工業の科学技術に関する研究・開発を総合的に行なう独立行政法人。産業技術の向上とその成果の普及をはかり,経済・産業の発展,鉱物資源エネルギーの安定的かつ効率的な供給を確保することを目的とする。 2001年の省庁再編により工業技術院が廃止され,経済産業省産業技術環境局および経済産業省産業技術総合研究所を経て,2001年4月旧工業技術院傘下の研究機関等を統合し,独立行政法人として再発足した。計量の標準や地質の調査,テクノインフラ整備に関する基盤技術の構築,エネルギー・環境技術等の研究・開発を行なっている。根拠法律は独立行政法人産業技術総合研究所法 (平成 11年法律 203号) 。

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