改訂新版 世界大百科事典 「畜産振興事業団」の意味・わかりやすい解説
畜産振興事業団 (ちくさんしんこうじぎょうだん)
〈畜産物の価格安定等に関する法律〉(1961公布)にもとづいて,主要な畜産物の価格の安定,乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化,畜産の振興に資するための事業に対する助成等を行うために1961年12月に設立された特殊法人。主管省は農林水産省。乳製品,食肉について,これらの価格が一定の安定価格帯におさまるように市場介入を行っている。すなわち供給過剰のため市場価格が政府の決める基準価格なり安定下位価格を下まわったとき買い入れて保管し,逆に市場価格が安定上位価格を上まわったとき放出する。このため牛肉,バター,練乳,脱脂粉乳,プロセスチーズなどの輸入を一元的に管理し,輸入価格が国内価格を圧迫しないように,牛肉などについては差益金を徴収する。96年10月,蚕糸砂糖類価格安定事業団と合併,農畜産業振興事業団となった。さらに2003年10月,野菜供給安定基金と統合し,独立行政法人・農畜産業振興機構となった。
執筆者:梶井 功
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報