デジタル大辞泉 「癰」の意味・読み・例文・類語 よう【×癰】 皮膚や皮下にできる急性の腫れ物。癤せつの集合型で、隣接するいくつかの毛包に黄色ぶどう球菌が感染して化膿かのうしたもの。うなじ・背中にできることが多く、高熱や激痛を伴う。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「癰」の意味・読み・例文・類語 よう【癰】 〘 名詞 〙 皮膚にある隣接した多くの毛嚢が化膿したもの。首すじ、背部に多く発生する。かたく赤く腫(は)れあがり、痛みが激しい。癰瘡。〔二十巻本和名抄(934頃)〕[初出の実例]「癰・疽を病む者、水に洗ひてたのしびとせんよりは、病まざらんにはしかじ」(出典:徒然草(1331頃)二一七)[その他の文献]〔新唐書‐支叔才伝〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「癰」の読み・字形・画数・意味 癰23画 [字音] ヨウ[字訓] できもの・ふさがる[説文解字] [その他] [字形] 形声声符は(よう)。は水をめぐらした池沼の中央に神殿を設ける意で、流れがふさぎとどめられる意がある。癰はその壅滞(ようたい)の意をとるものであろう。〔説文〕七下に「腫(は)るるなり」、〔釈名、釈疾病〕に「癰は壅(ふさ)ぐなり」とあって、悪質の腫物(はれもの)をいう。[訓義]1. できもの、悪性のできもの。2. 壅(よう)と通じ、ふさがる。3. 鼻がきかぬ。[古辞書の訓]〔名義抄〕癰 キズ 〔字鏡集〕癰 カサ・ハレモノ・キズ・ウミシル・イタム[語系]癰・・廱・雍・壅・擁・iongは同声。・壅は声義近く、壅と雍和の意とがある。[熟語]癰腫▶・癰疽▶・癰瘡▶・癰▶[下接語]潰癰・患癰・決癰・疵癰・吮癰・創癰・脱癰・破癰・癰 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by
家庭医学館 「癰」の解説 よう【癰 Carbuncle】 [どんな病気か] 癤(せつ)は1つの毛孔(もうこう)の化膿(かのう)ですが、癰は癤より深い部分が感染して始まるため、複数の毛孔部をまとめておかします。原因はやはり黄色(おうしょく)ブドウ球菌(きゅうきん)の感染です。 [症状] くびのうしろ、肩、臀部(でんぶ)、大腿(だいたい)(太もも)など、皮膚の緊張が強いところによくできます。癤と異なり、半球状に盛り上がります。最初は鈍い痛みですが、やがて激しい痛みをともないます。盛り上がりは、最初は赤く張りきって硬いのですが、進行とともに軟らかくなり、表面の複数の毛孔が膿(うみ)をもった点になります。やがて表面の一部に穴があいて膿が流れ出し、最後は破壊された組織が排出され、治っていきます。 [治療] からだがだるい、熱が出るなどの重症例では強力な抗生物質を注射します。癰を切開して膿を出すのは患部が軟らかくなってからです。これは、硬いうちに切開すると病気が広がるためです。 日常生活では安静にし、とくに癰がくびにできた場合は、今日でも注意深い養生が必要です。膿汁(のうじゅう)については、癤の場合と同様の注意をしてください。 糖尿病などの基礎疾患の有無を検査してもらうこともたいせつです。 出典 小学館家庭医学館について 情報 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「癰」の意味・わかりやすい解説 癰 (よう)carbuncle 数個以上の近接した毛包に黄色ブドウ球菌が感染して化膿性炎症が生じたもの。集合性の癤(せつ)と考えられているが,癤が毛包から皮下組織へと炎症が進むのに対し,逆に皮膚深層に初発変化が起こって表層へと波及してくるものもある。発赤と腫張が著しい隆起性局面を生じ,その上に点々と膿栓を生じる。疼痛が著しく,悪寒や発熱などの全身症状をも伴う。中年以後の男子の項背部に好発し,基礎に糖尿病があることが多い。治療は癤に準じ,抗生物質の服用と局所の安静を原則とする。執筆者:山本 一哉 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
百科事典マイペディア 「癰」の意味・わかりやすい解説 癰【よう】 皮膚の化膿性炎症で,近接する数ヵ所の毛嚢(毛包)や脂腺が同時に化膿するもの。【せつ】と蜂巣(ほうそう)織炎の中間の状態といえる。治療は【せつ】に準じる。→関連項目面疔 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「癰」の意味・わかりやすい解説 癰よう 「癤」のページをご覧ください。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by