明治〜昭和期の東洋史学者 東京帝国大学名誉教授。
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東洋史学者。千葉県長生郡茂原町(現,茂原市)に生まれる。1890年帝国大学文科大学史学科卒。同年学習院教授(1921まで)。1900年文学博士。04年東京帝国大学教授(1925まで)を兼ね,もっぱら漢・魏・六朝の西域史,塞外民族文化史,満鮮上代史等を講じた。11年から東京帝国大学教授を本官とし,兼ねて学習院教授に任ぜられた。14年東宮御学問所御用掛(1920まで)を拝命。19年帝国学士院会員に列せられた。24年東洋文庫の開設以来終生その育成に尽力した。明治以後現代にいたるまで東洋史学者の多くは彼の指導を受けた者であった。専攻分野は多岐にわたるが,主として朝鮮,満州(中国東北地方),モンゴル,中央アジアおよびオリエント,中国の歴史・文化にあり,日本古代史にも造詣が深かった。その論著には《西域史研究》上下(1941,44),《室韋考》(1919),《邪馬台国について》(1922),《卑弥呼問題の解決》上下(1948,49),《神代史の新研究》(1954)はじめ多数があり,それらは《白鳥庫吉全集》10巻(1970-71)に収録された。
執筆者:若松 寛
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東洋史学者。文学博士。千葉県出身。東京帝国大学文科大学史学科を卒業後、学習院教授、文科大学教授、および東宮御用掛などを歴任。初めは朝鮮古代史の研究に専念していたが、しだいに北アジア史、中央アジア史へと、その対象を西に向けて拡大させる一方、中国や日本の古代史にも関心をもち、その研究はほとんどアジアの全域に及んでいる。その学風は、大学在学中にドイツ人リースから指導された実証主義的な手法を特徴としているが、歴史はもとより、言語、民族、神話、宗教、および考古など実に多岐にわたる問題を取り上げており、とくに近代以前の漢学者が史実としていた堯(ぎょう)、舜(しゅん)、禹(う)の実在を否定したことや、邪馬台国(やまたいこく)の場所を九州に求めたことなどが有名である。またこのほか、東洋協会学術調査部、満鉄歴史調査部、および東洋文庫などの東洋史研究のための機関や組織の設立、運営にも尽力した。著書に『西域史研究』『神代史の新研究』『卑弥呼(ひみこ)問題の解決』などがある。
[關尾史郎]
『石田幹之助・山本達郎監修『白鳥庫吉全集』全10巻(1969~71・岩波書店)』
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1865.2.4~1942.3.30
明治~昭和前期の東洋史学者。上総国生れ。東大卒。学習院教授となり朝鮮史を講義した。以後満州・蒙古・西域へと研究の範囲を広げた。1904年(明治37)東京帝国大学教授を兼任し,11年より専任。14年(大正3)東宮御学問所御用掛となる。19年学士院会員,25年東京帝国大学を定年退官後は東洋文庫の育成にあたった。日本における東洋史学の創始者とされる。「白鳥庫吉全集」全10巻。
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…この経過が示すように東大では漢学から脱皮してゆきつつ,欧米の史学方法をとりこんで,近代歴史学としての東洋史学が成立した。創立期の東大東洋史学を代表する白鳥庫吉は,欧米風の方法に立って日本・中国の古典の信憑性を強く批判し,また西域・満鮮の諸民族の研究に先鞭をつけた。 一方1907年に開設された京都帝国大学東洋史学講座には在野の内藤湖南,ついで東大漢文学出身の桑原が招聘された。…
…これを受けて,久米邦武は,邪馬台国山門郡説を支持し,〈邪馬台の考証時代は既に通過したり,今は其地を探験すべき時期に移れり〉と喝破した。 邪馬台国論争の火ぶたは,1910年に白鳥庫吉の邪馬台国九州説,内藤湖南の大和説によって切られた。白鳥は〈邪馬台国への道〉,すなわち里程論や日程論を精緻に展開して,邪馬台国の領域を北九州全域に求め,その都を肥後国内に求めた。…
※「白鳥庫吉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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