皆済(読み)カイサイ

デジタル大辞泉 「皆済」の意味・読み・例文・類語

かい‐さい【皆済】

[名](スル)《「かいざい」とも》
借りた金を返しおわること。「借金皆済する」
年貢税金などを完納すること。
[類語]返却返還返品還付返上返送返戻奉還償却償還返納返済完済弁済返金返本返杯倍返し返す払い戻し割り戻し割り戻す払い戻すリベートキックバックペイオフ

かい‐せい【皆済】

かいさい(皆済)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「皆済」の意味・読み・例文・類語

かい‐さい【皆済】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かいざい」とも ) 掛け金や借金などを全部返し納めること。また、年貢を完納すること。かいせい
    1. [初出の実例]「何れも納得(なっとく)の上半金請取。皆済(カイザイ)書付を出しければ」(出典:歌舞妓年代記(1811‐15)六)

皆済の補助注記

「済」は漢音セイ」、呉音サイ」で、古くは「かいせい」と読むのが一般的であった。


かい‐せい【皆済】

  1. 〘 名詞 〙 年貢を全部納めること。また、掛け金、借金などをすっかり返すこともいう。かいさい。〔新編追加‐元亨二年(1322)正月一二日〕
    1. [初出の実例]「やがて年貢をも未進(みしん)なく皆済(カイセイ)すべし」(出典:仮名草子浮世物語(1665頃)三)

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世界大百科事典(旧版)内の皆済の言及

【未進】より

…1428年(正長1)興福寺が奈良に発布した徳政令では,昨年以前の未進年貢が徳政令の対象となっているが,これは未進年貢に利子が付されたことと関係があるものと考えられる。【黒川 直則】 近世では,年貢などの賦課物を納入することを上納(じようのう)といい,領主からの割付(わりつけ)額を全部上納することを皆済(かいさい)といった。年貢を最初から少しも上納しないことを不納(ふのう)といい,一年間不納を続ければ田畑を没収して村中に預け,村総作(むらそうさく)にさせた。…

※「皆済」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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