土佐(高知県)を代表する豪勢な宴会料理。九谷(くたに)焼や有田焼の直径50センチメートル以上もある大皿や鉢を使うところから、この名がある。料理はなま物、すし、組み物が柱になるが、祝い膳(ぜん)にはこれにタイの生けづくりがかならず加わる。なま物はタイやカツオ、貝など旬(しゅん)の魚貝を刺身にして盛り合わせる。組み物の皿には、煮物、焼き物、揚げ物などを盛り合わせ、すしはサバの姿ずしを中心に海藻や魚の押しずしなどが並ぶ。これらのほかに、そうめんの皿や、フルーツの盛合せ、前菜の鉢などが加わることもある。昔は村々に料理自慢の人がいて腕をふるったといわれるが、いまは料亭や仕出し屋で、専門の料理人の手になることが多い。
[堤 方子]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…うろこをとり,はらわたを抜いたスズキに塩をあて,ぬらした奉書で包んで蒸焼きにする。 皿鉢(さわち)料理土佐名物の宴会料理で,径40~100cmといった大皿に,それぞれタイの生作り,カツオのたたき,すし,煮物,口取などを盛って供する豪快なもの。愛媛県南部にはこれに似た〈鉢盛り料理〉が行われるが,いずれも卓袱料理をより日本的にしたものといえる。…
…カツオのたたきとアジのたたきがよく知られている。前者は,節におろした皮つきのカツオを火であぶって冷水で冷やし,厚めの刺身につくるもので,土佐名物の皿鉢(さわち)料理を代表するものになっている。皿に盛った刺身に,おろしたダイコンやショウガ,刻みネギなどをのせて包丁の腹でたたくことがあり,そのための名などとされる。…
※「皿鉢料理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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