有田焼

  • ありたやき

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

現在の佐賀県有田町周辺でかれた国内最古の磁器。1616年、豊臣秀吉朝鮮出兵を機に連れてこられた朝鮮人陶工のひとり李参平が、磁器の材料となる陶石を有田泉山で発見したことが始まりと伝わる。伊万里港から運ばれたので伊万里焼とも呼ばれた。 素朴なおおらかさが魅力の初期伊万里の染付(そめつけ)、濃厚かつ大胆な初期色絵、さわやかな柿右衛門豪華絢爛(けんらん)な金襴手(きんらんで)、佐賀藩が献上用に採算を度外視して磨き上げた鍋島など、多様なバリエーションを見せた。

(2016-08-09 朝日新聞 朝刊 福岡全県・2地方)

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世界大百科事典 第2版の解説

佐賀県西松浦郡有田町を中心とする地域で,江戸時代の初めから焼きつづけられている磁器。江戸時代を通じて,伊万里港から諸国へ積み出されたので,一般に伊万里焼として知られている。有田焼は初期伊万里染付,古伊万里,柿右衛門,幕末伊万里染付などと分類し称せられているが,この区別は明確なものではなく,様式変遷を大まかにとらえているにすぎない。 江戸時代初頭,有田における磁器の創始は,日本陶磁史上画期的な出来事であった。

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大辞林 第三版の解説

佐賀県有田地方で産する染め付け・赤絵の磁器。文禄・慶長の役(1592~1598)後、鍋島侯に従って渡来した朝鮮の陶工李参平が有田泉山の土で焼いたのが最初とされる。伊万里港を積み出し港としたので伊万里焼とも呼ばれる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 佐賀県有田地方から産出する磁器。朝鮮からの帰化人、李参平が泉山の土で焼き始めた。染め付け、赤絵の日用食器が多い。伊万里港から積み出したので伊万里焼ともいう。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

肥前(佐賀県)有田地方で生産される磁器
文禄・慶長の役後,連行された朝鮮人陶工が始めた。酒井田柿右衛門の赤絵付の成功,藩主鍋島氏の保護で,江戸時代窯業の中心となった。伊万里 (いまり) 港からで積み出されたので伊万里焼ともいう。

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世界大百科事典内の有田焼の言及

【有田[町]】より

…佐賀県西部,西松浦郡にある有田焼で有名な焼物の町。人口1万3354(1995)。…

【江戸時代美術】より

…1640年代になって酒井田柿右衛門が赤絵磁器の技法を工夫し,これを契機に有田(伊万里),古九谷,鍋島などすぐれた色絵・染付磁器が各地で焼かれ,野々村仁清による色絵陶器と相まって日本陶磁史上の一つの頂点を形成した。これらの磁器は,当時南蛮焼と呼ばれていたように,中国磁器の様式に強く影響されたものであり,中国的な意匠による有田(伊万里)焼は,清代の磁器に代わってヨーロッパに大量に輸出された。その中で鍋島焼は,鍋島藩のいわば〈官窯〉として,和様の意匠に孤高の美をつくり出している。…

【オランダ】より

…富裕なオランダ人は争って高価な中国磁器を購入し,食器としてまた暖炉や壁や食器棚の装飾品として珍重した。1650年代,明末・清初の争乱で中国産磁器の生産が停滞したとき,東インド会社は中国磁器の代替品を有田焼に求めた。1660‐80年(万治3‐延宝8)に,有田窯で生産された染付磁器の膨大な量がヨーロッパ市場へ送られ,しかもこれらの磁器は会社が本国から送った型見本に従って制作されたのである。…

【窯】より

… 1616年(元和2)佐賀県有田町の白川天狗谷窯に始まる磁器生産窯は,各房の幅3.5m前後であるが,16房あり,全長53mという大規模なものであった。有田(有田焼)においても18世紀以降,下房に対して上房の幅の広い,さらに規模の大きい窯体が築かれている。19世紀初めに瀬戸で始まった磁器生産窯は,有田のそれと同様な横狭間・倒炎式の連房登窯で丸窯系と呼ばれるものである。…

【佐賀[県]】より

…さらに豊臣秀吉は,東松浦半島の北端に名護屋(なごや)城などを築き,朝鮮出兵の前線基地とした。また有田焼は,17世紀初め李朝系の帰化陶工たちによって開窯されて以来発展したものである。幕末・維新期,長崎警備にあたっていた佐賀藩が反射炉,大砲,汽船を製造するなど西洋文化の導入にも先進性を見いだすことができる。…

【錦手】より

…日本では単に赤絵,色絵ともいい,中国では五彩(ごさい)とも呼ぶ。江戸時代の初期に中国から輸入された,明末の嘉靖の五彩磁,金襴手(きんらんで),万暦赤絵や,清初の南京赤絵,色絵祥瑞(しよんずい)などの影響を受け,肥前有田では磁胎の錦手が,京都では陶胎の錦手が始められた(有田焼)。ことに有田では釉下に染付で文様を表し,釉上に色絵や金彩を施した豪華な趣の錦手が作られたが,これはとくに染錦手と呼ばれる。…

※「有田焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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