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盆石 ぼんせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

盆石
ぼんせき

(1) 盆山 (ぼんさん) ともいう。山に似た形の木の根などを上に置いたものから始ったらしい。日本では主として山形をした 15~24cmほどの石を浅い高麗鉢や塗鉢に砂を敷いて立て,書院違い棚押板に飾った。石は川石を第1とし,山石がこれに次ぎ海石は使わない。室町時代から流行し「末の松山」「残雪」「雄のやま」などの銘石があり茶会などにも用いた。 (2) 狂言では山形に築いた庭石をいう。 (3) 薄い塗盆の上に小形の石や砂などで風景を再現したものをいい,江戸時代末には流派を生じ盆景と呼ぶものもある。

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デジタル大辞泉の解説

ぼん‐せき【盆石】

黒漆塗りの盆の上に、数個の自然石や砂を配して自然の景観を表すもの。
箱庭などに用いる自然石

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百科事典マイペディアの解説

盆石【ぼんせき】

盆上に雅致のある自然石を立て小石等を配して山水その他の風物を描写するもの。室町時代から置物として観賞されてきた。石州流,細川流,遠州流等の流派があり,それを作る(打つ)場合の態度,手順などの作法が定められている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼんせき【盆石】

石を盆に載せて鑑賞する趣味。名石を鑑賞する趣味は中国より渡来し,室町時代の室礼(しつらい)として書院飾の方式が展開するにともない違棚や床の飾りとして必須のものとなり,〈末の松山〉とか〈夢の浮橋〉といった銘をもつ名石が珍重された。江戸時代中期以降には盆石は文人趣味の一つとして流行し,清原流,竹屋流,相阿弥流,細川流など多数の流派を生んだ。また伝書も種々あらわれ,《蒹葭堂盆石志》《盆山秘言》などが読まれている。

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大辞林 第三版の解説

ぼんせき【盆石】

趣のある自然石を盆の上に配して風景を写したもの。 → 盆景

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

盆石
ぼんせき

黒い漆塗りの盆上に、数個の自然石を置き、大小9種類の砂を配して、大自然の景観をつくりだす日本独特の伝統芸術。盆石の発生は、次のような歴史的背景がある。[勝野友禧子]

発生・沿革

古代から日本人には石を神格化する傾向があり、奈良時代には、石を自然の象徴、神の座として崇(あが)める磐座(いわくら)というものがあった。平安時代になると、庭園を縮図化した盆養(ぼんよう)が愛好されるようになった。これは現在の石付き盆栽のような形式のものである。鎌倉時代に、中国から禅宗が入ると、簡枯洒脱(かんこしゃだつ)の禅特有の自然観から、庭園は水・樹木・土が省略されて「枯山水」の庭ができあがっていったように、盆養においても水・樹木・土の省略が行われ、ここで盆石の祖景ができあがった。この時代の盆石は、1個または数個の石の周りに大小の砂をまいた程度の簡単なもので、現在の水石のような形と考えてよい。室町時代になると、盆石は造園の際の雛形(ひながた)として使われるようになった。室町初期の相阿弥(そうあみ)、善阿弥(ぜあみ)などの造庭家は、同時に優れた盆石師であった。このような実用性をもって、繰り返しつくりだされるうちに、盆石は、石の不変性と砂の流動との調和によって、自然を再現する芸術にまで高められ、武家や貴族に愛好されるようになった。江戸初期には、茶道にも取り入れられ、茶室の床飾りとして使われるようになった。江戸中期寛政(かんせい)年間(1789~1801)には、盆石の図版が数多く刊行されるほど盛んになり、武家や富裕な町人の間に広がっていった。単なる石の演出的意味から脱皮して、絵画的な構図をもつようになった。当時おもなものだけで八流派あったが、それらの始祖は、いずれも大名諸侯、茶人、造園家であった。現在それらの流れをくんで活動している流派は、遠山(えんざん)、石州(せきしゅう)、細川(ほそかわ)の三流派である。そのうち遠山流、石州流は古典景図の伝承を主としているが、細川流は、古典盆石の伝承とともに、さまざまな創作盆石を行って盆画(ぼんが)もある。[勝野友禧子]

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世界大百科事典内の盆石の言及

【盆景】より

…石を盆に載せ,その周辺に砂で風景を描く芸道。広くは盆石と呼ばれ,盆山ともいわれる。江戸時代に流行し,座敷飾の一つとして一般化した。…

※「盆石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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