磐梯(読み)ばんだい

改訂新版 世界大百科事典 「磐梯」の意味・わかりやすい解説

磐梯[町] (ばんだい)

福島県北西部,耶麻(やま)郡の町。人口3761(2010)。磐梯山の南西麓に位置し,JR磐越西線が通じる。平安初期に徳一によって開かれたと伝える慧日(えにち)寺の境内地が,ほぼ現在の町域であり,その門前町として発達した大寺(おおてら)が中心集落である。慧日寺の寺領は会津4郡に及び,東北の高野山とも称されていたが,たびたびの戦火によって,堂塔伽藍はことごとく失われた。現在,慧日寺跡は国の史跡に指定されている。近世会津藩に属し,猪苗代若松を結ぶ中継地として経済上重要な位置を占めた。近代に入ると南端を流れる日橋川の豊富な水資源を利用して発電所が建設され,化学工場も立地して,工業都市的性格をもつに至った。第2次大戦後一時過疎化が進行し,また公害問題も生じた。1970年に開通した磐梯ゴールドラインは,裏磐梯観光のメーンルートで,リゾート施設が立地する。
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