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社外工 シャガイコウ

デジタル大辞泉の解説

しゃがい‐こう〔シヤグワイ‐〕【社外工】

下請会社に雇用された労働者で、親会社に派遣されて就労する者。

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百科事典マイペディアの解説

社外工【しゃがいこう】

下請企業に雇われて,その親企業(元請企業)の事業場で働く労働者。発生史的には組夫制度の近代的再編形態による下請工,間接雇用労働者の一種である。1970年代までは一般に鉄鋼,化学,造船,建設,鉱山などの諸産業の補助部門に多くみられ,賃金・労働条件が劣悪で労働組合活動などの諸権利はほとんど無視され,就業状況の不安定性は臨時工と同じであったが,法整備や労働力の需給関係の変化で改善されつつある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃがいこう【社外工】

ある企業から受注する作業を,発注主たる親企業の構内で行う,請負企業の労働者の俗称。親企業に雇用される常用労働者(本工)とは異なり,社外工は親企業とは雇用関係をもたない。社外工は造船業,鉄鋼業,化学工業などに多くみられ,本体作業部門の熟練労働者,修理・保全部門の労働者,運搬・雑役部門の単純労働者に分けられる。また社外工は,請負企業の現場監督者のもとに作業する請負工と,親企業の現場監督者のもとで本工とともに作業する貸工とに分類することができる。

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大辞林 第三版の解説

しゃがいこう【社外工】

下請企業に雇用されながら元請企業に派遣され、元請企業の構内で働く労働者。造船・鉄鋼・化学産業に多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社外工
しゃがいこう

日本の大企業の下請制度のうち、親企業の構内において製品の完成または作業の遂行に直接充用される下請企業の労働者をいう。社外工は間接雇用(労働者を指揮命令して就業させる使用者と労働者の間に第三者が介在する雇用形態)の一つで、第二次世界大戦前は組請負制(人夫供給業)として鉱山、建設現場、工場で広範に活用されていた。1947年(昭和22)に制定された職業安定法は、強制労働や中間搾取の排除の視点から労働者供給事業(間接雇用)を禁止したため、直接雇用の臨時工がもっぱら利用された。1952年の職業安定法施行規則の改定によって労働者供給事業の規制が緩和されたのに伴い、間接雇用は社外工制として復活し、1960年代に入ると、鉄鋼業や石油化学工業などの装置産業や造船業では、臨時工にかわって社外工が非正規雇用の主役となった。親企業にとって社外工を活用するメリットには、正社員への登用を求める臨時工の闘争を回避できることに加えて、(1)社外工は本工(正社員)や臨時工と異なり、親企業とは直接的雇用関係がないため、使用者責任を果たすことなく、また募集費、福利厚生費などの負担を免れ、低賃金労働を広く利用できること、(2)景気変動の際、容易に雇用調整でき、解雇に対する労働運動の圧力を回避しやすいこと、などがある。
 社外工の担当作業は、かつては基幹工程周辺の機械化・自動化されない部署、付帯作業、運輸・整備作業などが大部分であったが、しだいに基幹工程へも社外工が導入されるようになった。新鋭製鉄所では、本工と同数またはそれを上回る規模で、社外工が活用されている。今日、自動車・電機部門の製造ラインで増加している派遣労働者や請負労働者は社外工の新たな形態である。[伍賀一道]
『糸園辰雄著『日本の社外工制度』(1978・ミネルヴァ書房) ▽道又健治郎編著『現代日本の鉄鋼労働問題』(1978・北海道大学図書刊行会) ▽伍賀一道著『現代資本主義と不安定就業問題』(1988・御茶の水書房) ▽木村保茂他著『鉄鋼業の労働編成と能力開発』(2008・御茶の水書房)』

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世界大百科事典内の社外工の言及

【組夫】より

…第2次大戦以降,1947年の職業安定法の制定により労務供給業(労働者供給事業)は原則として禁止された。そして組夫の多くは組が社外企業となることにより社外工という形で再編されることとなった。【佐口 和郎】。…

【本工】より

…〈終身雇用制〉の項参照),年功賃金(〈年功的労使関係〉の項参照),企業別組合という日本的労使関係の特質が顕著にみられるのは,大企業本工層である。なお大企業の構内で作業を行うが,当該企業と直接雇用関係をもたない労働者は社外工といわれる。【中村 圭介】。…

※「社外工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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