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請負制 うけおいせい subcontracting; subcontract system

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

請負制
うけおいせい
subcontracting; subcontract system

賃労働関係の一種。かつての家内工業制度の残存物である。資本主義的な賃労働関係においては企業家と賃労働者とが相対応することが基本的前提であるのに対して,請負制の場合にはその両者の間に中間利潤を手に入れる中間請負人 subcontractorが存在するため,労働者に対する搾取はより加重される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

請負制
うけおいせい

一般的には、一定の作業に対して価格を契約し仕事を行うことをいう。家屋建築や土木工事で行われている請負契約がこのことばの源である。請負制の形式には、単独で一定作業を請け負う個人請負と、数名の労働者が組や班をつくって請け負う団体請負とがある。後者には、組や班のなかの1人が中間請負人となって、彼自らが配下の労働者を雇用する場合がある。これは中間請負制度とよばれ、請負人は契約価格以下で仕事を完成し、中間利潤を手に入れる。16世紀から17世紀にかけてイギリスの炭鉱業に広く普及したバッティ・システムbutty systemはこの中間請負制度の典型である。この制度においては、請負人が炭鉱所有者とトン当り価格で石炭の採掘を契約し、時間賃金で炭鉱夫を雇い、契約価格と配下の炭鉱夫に支払った賃金との差額を収得した。日本の炭鉱において、明治初期に形成され、昭和初期まで支配的であった納屋(なや)制度もその一種の形態である。請負人であった納屋頭(がしら)は配下の鉱夫を自らの監督の下に使役し、その際、彼は配下鉱夫の賃金を会社から一括して受け取り、その賃金の上前をはねるのを常としていた。
 請負制は資本を節約し、さらに、リスク負担を分散化するのみならず、労務管理をきわめて容易にするという利点を有している。というのは、請負人の中間利潤が配下の労働者の低賃金と労働強化に依存するからである。このため、請負制は工場制確立以降においても、その外部に編成された家内工業のみならず、工場内においてもかなり長期にわたって存続することとなった。このような工場内に持ち込まれた請負制は内部請負制とよばれ、仕事が外部に出される下請制と区別される。たとえば、イギリスの綿工場においては、ミュールmule紡績工が児童や年少者を時間賃金で雇用し、彼が受け取る出来高給との差額を収得していた。
 イギリスでは19世紀の後半になると、請負制は苦汗制度として社会問題化し、労働組合の強力な反対運動によってしだいに消滅の方向に向かったが、日本では、封建制的な関係と結合することによって、第二次世界大戦の終結まで強固に存続した。戦後においても、もっぱら労働者のみを供給する労務供給業は職業安定法(昭和22年法律141号)によって禁止されたが、1952年(昭和27)の法改正によって条件が緩和されるとともに、社外工制度として急速に復活することとなった。今日では、日本の大企業のほとんどがこの社外工制度を組み込んで生産を行っているのが現状である。[湯浅良雄]
『E・J・ホブズボーム著、永井義雄・鈴木幹久訳『イギリス労働史研究』(1968・ミネルヴァ書房)』

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